第2話 なでしこの君へ

※舞台は昭和初期の田舎町をイメージしてください。

2人の関係はご想像にお任せします。


※アドリブ不可。方言のみ可。

※SEはおまかせします。

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼


女 「お待たせしました。待たせてしまってごめんなさい。浴衣着るのに時間かかっちゃって…」


男 「いえ、大丈夫ですよ。待ってる時間も楽しいですから(笑)」


女 「そんな…からかって…」(はにかみながら)


男 「さ、行きましょうか?」


女 「はい」


(SE:虫の声)


男 「あの…浴衣、似合ってますね」


女 「…ほんとですか?良かった! ありがとうございます」


男 「とても美しいですよ」


女 「そんなこと言ってくれるの、勇さんだけですよ」


男 「そんなことないですよ。キミさん、綺麗だから…」


女 「きゃっ!」(つまずいて転びそうになる)


男 「危ない!(転びそうになるキミを咄嗟とっさに抱きかかえながら)大丈夫ですか?」


女 「す、すみません…! ありがとうございます。大丈夫です」


男 「あ…すみません…、つい…。あの…良かったら、手、繋ぎませんか?」


女 「はい…」(照れながら)


(SE:お祭りの音)


男 「一回りしてみましょうか」


女 「はい」


男 「気になったお店があったら遠慮なく言ってくださいね」


女 「そうですね…金魚すくい、なんてどうでしょう?」


男 「良いですね!やりましょう!」


女 「うふふ。金魚すくい、得意なんですか?」


男 「まぁ、見ててくださいよ」


男 「すいませーん。金魚すくい、一回!」


女 「頑張ってください!」


男 「よぉ〜し。キミさん、どれが良いですか?」


女 「では、あの赤い子を…」


男 「承知しました!では…」


(SE:バシャッ)


男 「あぁ…!逃げられた!」


女 「あはは。難しいですねぇ」


男 「すみません、れなくて…」


女 「いえ…良いんですよ。あの…私もやってみてもよろしいですか?」


男 「もちろんです!ぜひ!」


女 「はい。なんだか緊張しますね」


男 「金魚すくい、初めてですか?」


女 「ふふ。一度だけやったことあるんですよ」


男 「頑張ってください!」


女 「はい…!(間)よいしょっ…!」


男 「わ!れた!すごい!すごい!キミさん、すごいですよ!」


女 「うふふ。私もびっくりしてます(笑)」


男・女 (2人で笑う)

(間)


男 「そろそろ帰りましょうか?」


女 「そうですね…もう遅いですもんね」


男 「あ…ちょっと待ってて下さい」


(勇は何やら買いに行った)


男 「ほら、これ!」


女 「あ…なでしこ…」


男 「今日は曇ってて月が見えないから、夜道は危ないかと思って。そしたら、キミさんの浴衣の柄と同じ、なでしこの柄があったから」


女 「素敵なちょうちんですね。こんな柄があるなんて」


男 「一目惚れして買ってしまいました(笑)」


女 「まぁ!(笑)」


男 「一目惚れはなでしこだけじゃないんですが…」(独り言のように呟く) 


女 「え…?」


男 「あの…また誘っても良いですか?見せたいものがあって」


女 「はい。もちろんです。ぜひ!」


男 「良かった!じゃあ、今日は帰りましょうか。

では」(手を繋ごうと差し出す)


女 「あ…」


男 「また転ばないように、ちゃんと繋いでますからね(笑)」


女 「はい…」(照れながら)


赤い金魚となでしことキミの頬も赤く染まっていた。


✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

声劇用台本です。

各種配信アプリにてご利用いただけます。

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聴かせていただきます。Twitter@fuwari3333


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