第四章『沈鬱』

爛々と太陽の日差しが輝く8月18日の事


ボクは眠りから目を覚ました

もう外はお昼の13時20分だった

だが体が重く起き上がれない


何もやる気がおきず 食欲も湧かず

ボクは憂鬱になっている


ベットの上で枕に顔を埋めて悩む

こんな生活で本当にいいのか

ふしだらな時間を過ごしていく


考え事ばかりじゃ自分を苦しめる

だから歌詞を書くことにした

憂さを文面で晴らすんだ

この世の摂理に逆らえずにいるから


だが虚しさは消えず

ひとりの時間ほど孤独を味わう刹那はない


しかし

孤独は人を成長させるものだと聞いたんだ

寂しさを知り 辛さを知り

その代わり誰かを寂しさの奥底に落とさぬ様に

支え合うと


そんな事を考えていると時間はあっという間

世界が夕暮れに染まっている


蝉の鳴き声 カラスのチャイム

鬱陶しいと思っていた音がそうでもなくなった

きっとボクがずっと下を向いていたからだ


元気なあの子 冴えないボク

比べようがない

足元に及ばない運命なのだから


ただし人間は変われない人と変われる人がいる

変われる人は心が綺麗の証だ

変われない人は誰の言葉にも聞く耳を持たない

ボクはそう思っている


そう考えていると

ボールペンを持っている手が止まっていた

歌詞の一部にはこう書いてある

「嫌になっちゃうほど単純で熱しやすく冷めやすい」


タイトルは未だに浮かばず苦戦中

ボクはこの歌詞が出来たら小説化にしたい

たくさん見られたいとは思わず

ただボクのちっぽけな夢


やっぱり夢を持たせて欲しい

こんなワガママが貝塚に通じなくとも


そう思ってる時

LINEの通知が来た

「だれからだ?」と思い見てみると


ボクの幼馴染み

山下 月雫(やました るな)からだ

メッセージにはこう書いてある


月雫:ねぇ蒼。拓海から聞いたよ

また貝塚からひどいこと言われたんだって?

気分転換に明日!3人で海行かない?


ボク:いいの?


月雫:全然!てか、明日あんたがメインだし


ボクは月雫から遊びの誘いがきて嬉しかった

明日になるのが楽しみだ


過去のボクが聞いたら「開き直ってる」と

言うのだろうきっと


そしてまた

階段の下から祖母の声が聞こえてくる


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈第四章『沈鬱』end



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