第二章『蒼天』

世界は蒼天に染まっている


しかし盛夏だ...この暑さには負ける


ボクは友達に駄菓子屋に連れられ

ラムネを奢って貰えることになった

あの言葉が未だに忘れられずにいる


「夢なんか持つな」「障害者だから」

頭の中で何度も繰り返されているんだ

叶えたかった夢をひどく言われるとは思わず...


なんだか

飲んでいるラムネがあんまりシュワシュワしない

儚く感じてしまうんだラムネ如きに


何も考えられずラムネの瓶を眺めている

ラムネの瓶に映つる蒼天があった


(綺麗だなぁ...)


ビー玉がある

なんだかビー玉を見ていると違う世界に

行ける気がすると幼い日から思っていた


ラムネ瓶の中に入ってるビー玉の音は

夏だとハッキリ教えてくれる

だけど呼ばれてる気もするんだ


(多分気のせいだ)


友達:なにしてんの?そんなボーッとして


ボク:...え?あ、いや...ラムネ!美味しいな〜と


友達:なら良かった!


ごめんね

こんなボクが君の友達で...嘘ついちゃって

でも今は全てにおいて怖いんだ


君の知ってる天内 蒼は

もうこの世界に居ないのかもしれない

ボクはボクで居たくなくなってきた


ボク:今日はもう帰るね。ごめんねバイバイ


友達:え、あ〜うん。わかった!またな


(...笑顔を向けないでよ...泣きそうだよ...ねぇ...)


令和2年 8月 17日 PM:13時8分


ボク:ただいま〜


祖母:おかえんなさい。部活で疲れたでしょ〜


ボク:うん。めっちゃ疲れしクタクタ


祖母:シャワー浴びてきちゃいなさい


ボク:いや、ちょっと寝てくるね。起きたら浴びる


ボクは自分の部屋に入り部屋着に着替えて

クーラーを27度に設定した


(寝ないよ...まただ...ごめんね皆)


ボクは文房具の入っている棚を開け

カッターを取り出した...


-----------------------------第二章『蒼天』end

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