天空行きの最終便

水無月 葵 (みなづき あおい)

第一章『夢想』

令和2年 8月17日 ある夏のことだった...


部活に行っているボク(天内 蒼 あまうち そう)は

いつもの奴にいじめられていた。


そいつの名は貝塚 悠斗(かいつか ゆうと)

学校一のいじめっ子

平然と暴言を吐き 蹴飛ばし 脅しをしてくるんだ


「まぁもう慣れてるから」

この一言で仕方なく済ましてしまう自分がいる

だってボクは「弱虫」だ

どーだこーだ言ったて聞く耳持ってくれやしない


そんな

悠斗はボクと友達の会話にもずかずか入ってくる


友達:そうって将来的に何になるん?


ボク:ん〜わからない(笑)


友達:夢ひとつふたつぐらい持っとけよ〜(笑)


ボク:あ、でも強いて言うなら音楽家かな


友達:え?まじ?俺で良かったら応援させて!


ボク:うん!ありがとう


悠斗:へ〜おまえ音楽家なんだ(笑)


ボク:う、うん...音楽好きだし...


悠斗:テストの点、平均以下なおまえが?(笑)


ボク:それとこれとは違う気が...


悠斗:は?おまえ障害者だから頭悪ぃんだろ?

すぐ挫折するんだから夢なんか持つな

音楽家なんてちっぽけな夢やめとけ(笑)


ボクはもう心が壊れてしまっていた

「夢なんか持つな」「障害者だから」

この二言に全てを壊された


友達はボクを心配そうに見てくれている

もうどうしたらいいんだ...


「音楽家」

こんな立派な職業を馬鹿にされた...

「天内 蒼」

こんな名前を背負っていいのか...

とボクはネガティブな思考に取り憑かれた


部活が終わって帰る

友達がラムネを奢ってくれるそうだ

暗々たる顔して帰っていく...



-----------------------------第一章『夢想』end

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