俺は今日からレジェンドになります!

2回戦、3回戦と勝ち残った俺は準決勝進出を決めた。


(あの白いマントの女はなんだったんだろ、)


俺はあの女性のことをずっと気になっていた。


〈それでは皆さんお待たせ致しました!準決勝に参ります!〉


俺の準決勝の相手は王国の聖騎士だった。

いかにも聖騎士らしい鎧に身を包み、大剣を背おっていた。


「武器も持たずに私に挑むとは、なんと愚かな。

死ぬ覚悟はできてるんだろうな?」


(セリフはあまり聖騎士らしくないな。)


俺は何も言わずに構えた。

試合開始の合図とともに男は大きく前に出た。

そして背中に背おった大剣を抜き大きく横に振った。

俺は体を逸らして躱した。


「ほぉ、準決勝まで上がって来る程の力は持っているようですね。

なら私も本気を出さしてもらいます。」


「好きにしな。」


俺はそう言ってもう一度構えた。

男は大剣を地面に突き付けると、詠唱を唱えだした。


「真に秘めし神の力よ、我に力を与えたまえ、いでよライトニングワイバーン」


(WOW、すげー厨二病くせぇ名前だな)


すると地面に刺しこんだ大剣が青い雷光に包まれた。

男は大剣を地面から抜き、大きく振りかぶり言った。


「蒼き雷に打たれるがいい、エレクトリックブレイク」


男が縦に大剣を振った瞬間、大剣から俺の方目掛けて青い稲妻が

飛んできた。

稲妻は爆発し黒い煙が闘技場の中を覆った。


「はぁはぁ、エレクトリックブレイクを喰らえば即死、

そうでなくともなくても麻痺で動けないはず、」


男は今の魔法でかなり疲労していた。


「かなり派手な技じゃねーか」


煙がどんどんと薄れていくに連れて男の顔が青ざめていく。


「嘘、嘘だ、ありえない、神器解放技だぞ!?神の力だぞ!?」


「神の力って言っても、ちょっと人間離れした能力が出るってだけだろ、」


煙が完全に消えた時、観客席が一気に歓声を上げた。

俺は魔法をくらう瞬間にカウンター魔法をかけた。

その魔法の名はゴットブレーシング

マジレジェで強すぎて使用禁止になった魔法だ。

なぜならその魔法は使用してから1.2秒間の間に魔法攻撃を喰らえば

その魔法ダメージを無にし、それにプラスして

その魔法属性強化を自分に宿すという能力。

まさにチートだ。


「それじゃあこっちも本気でいかしてもらうよ。」


俺は大きく振りかぶり勢いよく地面を殴った。

その瞬間、地面にヒビが入りその裂け目から青い光が漏れだした。

そして地面は雷属性の大爆発を起こした。


「ちょっとやり過ぎた!?」


砂埃が晴れた時、男の姿が見当たらなかった。

すると次の瞬間、男は天空から勢いよく地面に落ちてきた。


「えっと、し、死んでないよな?」


何とか鎧のおかげで死んではいないようだ。

勝利のゴングとともに歓声が響いた。

俺は歓声を受けながら闘技場を後にした。


(あとは決勝か、次の相手はどっちになるかな、)


俺は準備室には向かわず、観客席へ移動した。


「ミュール」


俺はミュールに呼びかけた。


「お疲れ様でした!あとは決勝ですね!」


ミュールはこちらに駆け寄り言った。


「ああ、あとは決勝だけ、、」


俺はミュールの隣に座り試合開始を待った。


(「威吹鬼くん、聞こえるかい?」)


(「ゼルか?どうした?」)


ゼルは少し焦った様子だった。


(「大変なことになった。今闘技場の1階で出場選手とおそらく

威吹鬼くんが言っていた女が殺りあってる。」)


(「嘘だろ!?今すぐ行く、場所は?」)


(「ダメだ!危険すぎる!いくら威吹鬼くんでも武器がないと!」)


「そんなこと言ってる場合か!」


思わず叫んでしまった。

ミュールが心配そうな顔でこちらを見ている。


「ご、ごめんミュールちょっと急用ができたからちょっと待ってて、」


そう言って俺はとにかく走って1階へ向かった。


(「そっちの状況は?」)


(「ものすごいスピードで2人が戦ってる。俺が入ろうとしたら

弾き飛ばされたぐらいだよ。」)


(「わかった、、俺に作戦がある、だから場所を教えろ。」)


(「.........わかった。場所は1階の北入口だ」)


(「了解、すぐ向かう。」)


俺は通信を切った。


(バレットの初速は秒速約850m、へカートでも820は出るはずだ、

それにこれは大口径弾、重さ的にもある程度の風圧なら大丈夫なはず、)


(そう思えば、神器の名前まだつけてなかったな、、、

そんな事考えてる場合か!)


俺はインベントリからライフルを取り出した。


「錬金術、合成、これで良いはず。」


俺は急いで北入口へ向かった。

北入口は人が少ない、おそらくそこを通るのは出場プレイヤーぐらいだろう。

暗殺にはもってこいだ。


入口につくとそこでは凄まじいスピードでの戦いが繰り広げられていた。


「確かにこりゃえげつないな。」


俺は近くの崩れ落ちた壁の残骸に身を潜めライフルをセットした。


(「持ち場に着いた、ゼルはどこにいる?」)


ゼルからの返信はなかった。


(この風圧で通信魔法が遮られてるのか?

まぁしょうが無い撃てば気づくだろう。)


俺はマガジンをセットし弾を装填した。


(さぁ勝負の始まりと行こうか、)


「心眼」


心眼とはマジレジェで使用中、自分の体力を削って威力や命中率、弾速を

あげる魔法だ。

マジレジェの場合クロスボウや弓矢に適応されるスキルだ。


(この世界では相手がスローモーションに見えるのか、)


俺はスコープを除きトリガーに指を掛けた。



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俺は今日から最強スナイパーになります! 坂本 狼 @Kinrou02

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