第4話



 目が覚めると見知らぬ天井だった。

 

 そして生き延びてしまった事に気づいて

 

 やっぱり自分が悪いのだと思った。

 

 小室の入院をきっかけに、さらに親は宗教に嵌っていく。

 

 そんな絶望の中で生きる彼に誰かが言った。

 

「お前は悪くはねえよ。役割を果たしていない奴が悪いんだよ」


 そして小室は自分の親が役割を果たしていない事に気づく。

 

 だから、小室は施設で育つことになった。

 

 施設で過ごす間に、小室はいろんな事を学んだが

 

 結局、染み付いたものは簡単には取れず

 

 いつまでも、いつまでも底にあり続けた。

 

 やがて大人になって、どうにかやっていけるようになった。

 

 子供の時を思えば随分といい暮らしだった。

 

 そんな小室の元に連絡が来る、

 

 親の面倒を見ろと。

 

 


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