第36話深夜の指南
長い時間をかけてほぼ徹夜で私はクロエの指導を受けた。
これからいく神殿は全部じゃない。
主要都市三つほどを見繕っていくことになる。
全部巡ると元世の神社仏閣ほどある。
_それじゃただの観光じゃん。
特に重要なところを順番に巡る。
「順番って?」
いいか?
精霊の話はしたよな?
これと同じように神殿にも属性ってのがあるんだ。
それを結ぶ線があってな?
それには一定の法則があるのさ。
「ふぅん」
ま、いけばわかる。
_はは、バレた?
私がわかってないのがバレていた。
とにかくと切り上げられたので、
「あんまり時間ないけど一眠りするかな」
その声で一区切り。
私も遅れて剣を取り、、、落とした。
カラン
「あ、どうした?」
少し派手な立ち回りをし過ぎたせいなのか目眩にも似たしかしそれとは確実に違う感覚に襲われて私は意識を持っていかれた。
少し前を歩いていたクロエは大きな剣を背負い直して肩越しに私を、視た。
消えゆくソーマの流れに気づいたクロエは大剣を放り投げて私に駆け寄る。
「大丈夫かッ!?」
ソーマには脳波のような波形があり、温泉でもあったように感情や体調などによるソーマはそれが目に視えるようになる。
故に浴衣を乱してその場に伏した私を視たクロエは慌てる外なかった。
「んぅ」
以降夢の中の私は不思議な夢を見ていた。
知らない男の子に手招きされている夢を。
明らかに自分より歳下のその子は全く見覚えのない子だった。
だがそれも途中で消えて、、そこで目覚めた。
起きてみるとめちゃくちゃ恥ずかしいことになっていた。
浴衣はめちゃくちゃにはだけ、布団もさよならしていた私は浴衣を正して、布団を敷き直した。
_?
ところで私はなぜここに?
_どっちが夢?
「起きたか?」
あ、っと声を出しそうになった私の口を手で塞がれた。
「静かにな?」
潜めた声でクロエは状況を説明してくれた。
帰ろうとしたら私が急に倒れたこと。
慌てて駆け寄ったところ寝息を立てていたこと。
仕方なくホテルまで背負って歩いたこと。
「ありがと」
私は何か申し訳なくなって俯いてしまう。
ソーマもまだ不安定な状況だからもう少し寝てろよ?
そう言ってクロエは自分の部屋へ戻っていった。
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