第33話龍貴晶

 そもそも異世界から勇者をなぜ呼ばなければならなかったのかについて、

「どっから話すのがいいかな」

 この龍貴晶を追うことで明かされるのだとか。

_単なる歴史の話ではないんだ。

 何だかホッとした。

 面白そうだと思うのは不謹慎だろうか?

 勿論魔王に蹂躪される世界の歴史だ。

 面白がっちゃいけない。

 いけないこととは知りつつも、、

「ゆっくり温泉を楽しめるとでも思っていて下さい」

 そう。なぜかこの龍貴晶は銭湯にしかない。

 私の隣をウェイさんがその後ろにエミューさんがいた。

 エミューさんは今黒い毛皮にトゲトゲした服を着ていた。

 その胸元が激しく隆起している。

_この中にあの。

 先に裸を見たものだから妙に意識をしてしまう。

 私のはまぁ気にならないだろうけど。

_大したことないし。

「んだよそんなこと気にしてんのか?」

 こんなもん好きなヤツがいればいくらでも大きくなるぜ?

 期待に胸膨らませるってな?


 え?エミューさん好きな相手が、、

「そうだよ?この人はねオレについてこい!ってこの胸にうずめたんだから!」

 ティさん暴露しすぎ。

 まぁでもやりそうではあるな。


「自分でも反省してるよやりすぎたって」

 あら意外。

 恥ずかしそうにエミューさんは目を逸らした。


「龍貴晶を祀る温泉は他にもあります。

詳細はそれを追いながらにしましょう」

 話を切り替えるようにウェイさんは割って入る。

 そうですね。と私も頷いてみせるがウェイさんのソーマが一瞬揺れたように視えたのは気のせいか。

 宿舎に戻る手続きを済ませ建物から出ると建物が消えた。

 どんなに目を凝らして視ようとしても視えなかった。

 魔法細工の装飾でも施されているのかその姿を捉えることはできない。

 諦めて私は皆のあとを追う。

「それじゃ俺はこの辺で」

 エミューさんはついて、、来なかった。

 ホテルへの道筋は地図を貰ったので行きのようなことにはならなかった。

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