第27話ミーティング

 クロエが目を覚ますのを待ってから石像も交えて会議が始まった。


 一同が車座になるが当然大きいのが一人混ざっているので、クリューは胡座をかいた彼の真ん中に座っていた。

「これで勇者はあと一人か」

 口火を切ったクロエに

「まだいるの!?」

 お前な?言っとくけどこれまだ初期ダンだからな?

 全員のワケねぇだろ?

_うっかりしてた。

 四魔将やら魔王側の人間やら濃いのが出てきてわからなくなっていた。

 少なくとももう中盤戦くらいだと。

 残念だけど歌でいうとAメロくらい。

 前奏終わって歌い始めのとこな?

_マジで!?

 マジですかクロエはん!?

「お前の魔族化についても調べなきゃなんやいしな?」

「あ、うん」

 ゆうちゃんのことを思い出すと今でも苦しくなる。

「それに魔素マナとソーマの成り立ちについても、ですね?」

「アリエス様のこともな」

 まずどっから手を付けたらいいか、、

「まずはここから行ってみない?」

 出ました!クリュー先輩のスマホ裏ワザ!

 ビニールシート!

 位置的に石像の技みたいになっていた。

_まぁそうなるわな。

 目から光線出てる。

_召喚魔法みたい。

 真下に出たマップは石像にプロジェクションマッピングされていた。

「今の街がここにあるから」

 街?どれが?

 このままロックグラスを西に抜ければすぐ神殿に着きますね。

「うん!」

 元気いっぱいのクリューは不安の象徴。

「このまま西に5km!」

_歩くの?

 勘弁して下さい。


 当たり前だけど下山は来た道を戻ることになる。

 転送システムとかはないらしい。

 変なとこでゲームらしくないんだから。

 イヤな予感は的中して崖を降りることに。

 皆ラクラクいくけど私無理だからね?

_ピィ。

 不死鳥を出して運んでもらうことに。


ガクッ


 ちょっと待った!

 咥えていくの!

 私の襟首を後ろから咥えた不死鳥は次の瞬間崖に沿って直滑降に、、

 一刹

_大丈夫ボクに任せて。

 誰かの声がしてそこから着地までの意識が途切れた。

「やるじゃねぇか」

 バンッと肩を叩いてきたのはクロエかと思ったらクリューで。

 たぶん肩を叩きたかったんだろう手は全然低い位置にあった。

_そこは腰だよ?

 私が何かしたことになっていた。

 結局自分でもどうやったかはわからず終いだった。

 ただ物凄い怖い目にあった気がした。

 首を傾げながら歩くこと暫く、


ザクザク


 ゆうちゃんとの再会。


ザクザク


 魔法技の講習。


ザクザク


 黒龍撃破。


 など色々思い出しながら山を下りていく。

_ここで固定ボス食ってたんだよね。

 あの時はまだ何も知らなかった。

 レベルも低かったし。

 やっと山を下りて街についた。

_アレ?繋がってたんだ?

 広い石畳みがズラリと連なりやっと私はこの街をゆっくり眺め、、

「カナちゃん一緒にお風呂入ろうよ」「やだ私と服買いに行くの!」「それよりまずは下着を、、」

 来た時よりゆっくりできなくなっていた。

 それよりお風呂には入りたい。

 着の身着のまま城からここまでなので汗も凄いから。

_支給品というか替えの学校制服はあるが、

見てみたい。

 異世界の文化にも触れたいし。

_鉱石を繊維化するってどんな技術だろ?

 決めた!下着、服、お風呂の順番で。

 何か文句言ってる声が聞こえるが気にしない。

「それでいいよねクロエ?」

「いいんじゃねぇか」

 グループ、もとい担当コーディネーターが決まった。

_くじ引き?

 私達が引くんじゃなくて何で輝石が引いてんの?

 そんで私に当たれなかったのか、どんよりするクリュー。

 ウェイとローが私に当たって、ラ、ティ、ルゥがクロエのところに。

 すれ違い様に「許さない」とルゥが呟いたのが耳に入ってきた。


 気を取り直してまずは服屋さんを探す。

 ここロックグラスでは武器を扱う鍛冶屋とは別に、服や下着といったものを扱う服飾雑貨の店がある。

 あとで鍛冶屋さんのとこにも寄ろうなどと話しながら私達は服屋さんを探した。

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