第25話どうしてこうなった?
ことの顚末を話す。
元に戻ったのを確認できた二人の精霊は私のそばにいたいらしくちゃんと円陣に加わっていた。
焚き火を囲んで六人と二人でそれを眺めて、
「ではグラムフェルトはあなたのご友人だったのですか」
たぶん。
いや絶対そうだ。
本人でないと知らないことも言ってたし、いやでも記憶だけ本人から吸い上げたってことも、、、
相手は悪魔の将だ。
それくらいは普通に、、
「待って下さい。それはないと思います」
私の疑問を遮ったのはウェイさん。
まずはご友人の言葉を信じる方向から考えてみませんか?
あなたはこの世界の王のこともまだよく知らない。
ならまずご友人の言葉を信じましょう。
「うん」
よほどうるうるしていたのかクリューが丁寧に私の涙を拭ってくれる。
その間もゆっくりと話を進めていくと
「
前にクロエが話していた龍脈の話もしてみた。
「クロエはそこまで」
感嘆とした表情でラはそう溢す。
それで思い出した!
「そうだクロエは!?クロエに会わなかった!?」
近くで魚か何かを焼いて食べて、、違う魚ではないなアレは。
_魚に角はないし。
「知らないよ?どうかしたの?」
マヌケ面晒してる場合じゃないんだってば!
_そんなんいつの間に。
あぁそんなことより、
「さっきクリューをお願い!って先に行かせちゃったの!」
そうですか。と頷くラは、
「じゃあ急がないとな。この遺跡長くないぜ」
顎に当てた手を解いてラは顔を私にまっすぐ向けた。
急がないと出られないという話にビクついた私に
「まずはクロエ様を助けましょうか」
「カナちゃんスマホは?」
クリューがクロエに渡してたじゃん。と指摘するとペロッと舌を出して謝るクリュー。
_ちょっとキュンときた。
「お姉ちゃんアレやるよ!」
よし!と嬉しそうにラが応え、
「クロちゃん見っけ!」
姉たちと手を繋いで暫く目を閉じたあと、クリューが目を見開いた。
「カナちゃんこの上早く早く!」
姉の手を振り払う勢いで私を呼ぶクリュー。
_可哀想だからやめたげてよ。
名残惜しそうにティがクリューの手を見つめるのを私は見逃さなかった。
_貴重な一回だったんだろうね。
入口で繋いだのとはワケが違う。
魔法のためとはいえクリューが自ら繋いできた手だもんね。
_入口のは強制だった。
ともかく私はクリューの案内で、
_まだ登るんだ。
山頂だと思ってたのに。
そこからの道は道とは呼べなかった。
_せめて登山道にしてよ!
「クァ」
_任せて!
不死鳥の嬉しそうな声に私の背中にはヒヤリとした汗が滴るのを感じた。
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