不明な存在

統一暦499年12月2日午前10時10分

 なんだあの化け物は。

 アメリアの琉吏に対する第一印象だった。

 母親?あの化け物が恵吏の母親?

 疑問しか湧いてこない。

「そちらの方は敵さんでいいのかな?恵吏がお世話に……は違うか。」

 ふざけている。この状況がそんなに余裕なのか。正真正銘の化け物だ。

「さあ、とりあえず逃げるのね?」

 琉吏は恵吏、アカリ、聡兎、紅音を引っ張るように飛んで行ってしまった。何も知らないため今にも泡を吹いて気絶しそうな御繰だけが尻もちをついたまま取り残された。


統一暦499年12月2日午前10時12分

 人のいないビルの屋上に琉吏は降りる。

「さて、一体どういう状況なの?」

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