第47話
その後、第3副作用が発症するまで、私がすべての魔物を倒した。
とは言っても、出てくる魔物が弱いものばかりなので、多少かすり傷はできたが、これといって大きな怪我することも無く、ニコーレさんと地上へ戻り、施設へ到着した。
「「.........」」
その間、ニコーレさんとは一切会話が無かった。話しかけても無視された。もうだめだ。
絶対に怒っている。
「あ、ニコーレさんお疲れさ「報告なんだけど」ッはい!」
ニコーレさんは受付嬢にここまでの経緯を報告した。
「…ということで、このクズの教育担当から外して。最悪だよこのクズ」
え??クズ!?なんだと!?そこまでやばい!?
「...じ、事実確認は後ほど帰還した方々に確認しますが、一応、ご本人にもお聞きいたします...間違いないですか?」
受付嬢に冷たい眼差しで睨まれる。
そんなにやばいことなの?
まだ研修期間中ということで多目に見てくれないの?
「...あ、ぁはい。ま間違いごじゃいません」
「貴族入りがもうすぐのところで評価下がったら?どうしてくれんの?ッチ」
そんなこと言われてもぉ…
「はぁあ腹立つ。ッツ」
「ぁ....ァン」
ニコーレさんに睨まれ、たじろぐ。
随分とキャラ豹変してますが...猫かぶってたのか。
第一印象の時の可愛らしいニコーレさんはいずこに。
「...あぁ?さっきの威勢はどうした?何とか言え」
「ッカカァ...カブンナァ...メェッ」
そんなに睨まないでぇ!
すごくいい子だなぁ好きだなぁと思っていたのに、急にそんなこと言われちゃうと、心が苦しい。
「...ァ、ァン」
「何だよ?気持ちわりぃな!どうすんの?」
「...ッカ、カマヤドリィ...」
「あぁ??何?聞こえねぇよ」
...まぁそうだよな、自分の出世を邪魔したおっさんに猫かぶる必要も無いよな。
「スゥ、...スゥンポコォ...」
「ッツ!聞こえねぇっつってんだろ!」
「ァ、ァンァッモコォリィ...」
......フッ、コイツは所詮、出世の事しか考えられない自分大好き女か。
だが、どうこう足掻いても、手に負える相手ではない。とりあえずこの場は何とかやり過ごそう。
「......ヌゥニコーレさん、この度は多大なるご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。反省しております!」
その場で跪き、両手を地面について謝罪する。もちろん反省などしていない。
「で?貴族に悪い印象与えてしまった事についてはどうしてくれんの?」
はぁあ??知りませんよ。
そういうリスクも承知で教育担当という仕事を引き受けてるのでは?
そもそも引き受ける生徒が全員が全員良い子ちゃんだと思ってるとかありえないんですが。一回失敗したからって見限るとか教育者として失格ではないでしょうか?
そんなこと言われると反省する気が薄れますね。
フッ、てぇか、こんなことですぐにイヤイヤ言う出世第一の薄情者の女なんかこっちから願い下げだぁ!!我がハーレムには忍耐強さが必須条件なのに、相応しくない女だなぁ!!
「...その事については大変申し訳ございませんでした...ですが、私は財力も地位もありません。今この場でできることは...ございません」
「.....チッ、だった「ニ!ニコーレさん...周りの目もありますし、どうかその辺で...」...ッチ」
冷たい視線を送ってくれた受付嬢からのまさかの援護!!ありがとう!!
受付嬢ブスだけど好きになってしまう!
「......はぁぁ...ほんとついてねぇ」
「申し訳ございませんでした」
頭を下げ続け、反省してる風を全力で演出。
早くあきらめろよ!しつこいな!!
こういう自分の出世が一番で、周りの人間を全て自分より格下と思ってるやつはどうしようもない。この女はだめだな。
「......もういい。このゴミと仕事が被らないようにしといて」
ふっ、なにも得られないことをようやく気が付いたか。バカめ。
ゴミ相手にしつこく突っかかるお前の方がゴミだ。
「は、はぁ...全てとは行きませんが、善処します」
受付嬢にそう言って、ニコーレのクソは出ていった。
いつか、私が最強になった暁にはニコーレ、君が感知できない速度で君の生意気な美尻を揉ませてもらうよッ。
「......ふぅ。やっと終わったか」
36歳会社員はいつの間にか異世界にいた。 BoshiBosh @boshibosh
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。36歳会社員はいつの間にか異世界にいた。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます