第8話
誤字訂正いたしました。失礼いたしました。
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大通りに書かれた方角に従い、西に進む。
西側も私が来た南側と同じように商店街だったが、ここは主にものづくりがメインのようだ。武器店に防具店、農具店、鍛冶場、家具屋やらがひしめき合う。煙突モクモクしてるね。
「お、あれはドワーフか!?」
武器店の前で立ち止まり、店頭の武器を見てるふりしてドワーフをチラ見する。
小学低学年並みの身長のずんぐりむっくり髭面のおっさんが暇そうに店の中で座ってる。
「おいっ!おっさん!ぼさっと見てんじゃねぇ!店に入るならさっさと入れ!!冷やかしなら失せろっ!商売のっ邪魔だ!」
「...あ、すみません」
「ったくよぉ!くそがぁ!っぺっ!!おっさんがよぉ!!」
お前もおっさんだろうが!
ムカつくなあのおっさん!!
自分の店の中でツバ吐くな!
自分のヒゲにも吐いたツバ付いてるけど。
汚いんだけど。
商店街をさらに進むと、道の左側に「兵舎・訓練所」と書かれた大きな看板を見つけ、道を曲がる。
「ここか」
目の前にはいくつもの訓練用カカシが等間隔に配置された広場。その奥に2階建ての白いレンガを積み上げて作られた小学校みたいな縦長の建造物がある。
「あれが兵舎か?」
何人もの人が兵舎の入り口横の小窓の前に並んでおり、そこが受付なのだろうと自分並ぶ。
並んでいる人は様々で、少年少女から老若男女、獣人までもが並んでいる。皆、持っている紙に判子を押してもらっている。
すぐに自分の番となり、受付のお姉さんに挨拶をする。
「こんにちは。はじめまして。戦闘訓練を受けたいのですが、初めてでも大丈夫でしょうか?」
「こんにちは。はい、もちろん大丈夫ですよ。こちらの紙にお名前を書いていただけますか?」
もらった紙に名前を書いてお姉さんに渡し、判子を押され、返される。
「はい。次回以降もこちらの紙を持ってきていただき、判子を押してもらってください。戦闘訓練は開催日の午前か午後のどちらかしか受けられません。両方受けることはできませんので、ご注意ください。武器は持参してきてもいいですし、無料で貸し出し可能ですので、しっくりくるものを選び広場に待機していてください。受付は以上となります。訓練頑張ってくださいね」
「はい。ご丁寧にありがとうございます」
日に2回受けるやつがいないように判子で確認してるのか?
結構適当にゆるい感じで確認してるのね。
判子押され終わった人たちが集まってる広場に向かい、開始まで待つ。
「おう、はじめてか。よろしくな」
知らないおじさんに話しかけられる。
「はい。はじめて訓練受けます。よろしくお願いします」
「見ればわかる。ここの奴らは見たことあるやつばかりだからなぁ」
「皆さん顔見知りなん「時間だ!これより戦闘訓練を実施する!!」...」
雑談で情報収集しようとしたところで、戦闘訓練が開始された。
兵士2名が指導してくださるようだ。
「いつもの奴らだと思うが、初めてのやつは手を上げろ」
手を上げる。
周りを見渡すともう一人初めての人がいる。
仲間が居てよかった。
「よし、手を上げた二人はこの集まりから離れろ。隣のこいつから教われ、では!残りのやつ!!剣を構えろっ!!基本から再確認だ!!……」
言われたとおり、常連グループから離れ、指示を待つ。
もう一人の初めて仲間はとくに誰かに言われるわけでもなく、こちらにやってくる。
10代後半くらいの美少女だった。
美少女だったっ!!
............っか、可愛らしいふわふわとした緩めのパーマがかかった明るめの茶髪は、胸辺りまで無造作に伸びていおり、日差しを浴びて、キラキラと輝いている。
また、少女の顔の輪郭を無造作に伸びたふわふわの髪の毛が上手に隠し、曖昧にさせ、より顔が小さく見える。
さらに、とても可愛らしい大きなネコ目は、まつ毛が長く、目をさらに大きく引き立たせており、そして、瞳は赤みがかった茶色だが、髪の毛印象とは違い、暗めの色合いである。
だがしかし、髪の毛の色と瞳の色の明暗差に
身ちょうは.........って!!!
そんなことをしても、てめぇのヒロインになる訳ないだろ!
イケメンチート能力も何も無いないのに、何勝手に少女の描写始めてるんだよ!無駄なあがきはよせっ!!くそがよぉ!!おっさんがよぉっ!!おとなしくしとけっ!!!
と、自分に言い聞かせました。
......やっ、優しそうな顔つきの革鎧の兵士が近づき、話しかけられる。
「君たち二人は初めての戦闘訓練でいいんだよね?今まで魔物でも人でもいいから戦った経験はある?」
「ありません」
「ないです」
「そうかそうか。時間も限られてることだし、早速だけど、まずは武器の扱い方と
兵士から刃物を使った時の注意点、立ち回り、攻撃、防御、回避など口頭と実践をうまく組み合わせ指導を受ける。
「......ここは、こう、ちがう、もっと上に、足は踏み込みすぎない。やり直し、重心がブレないように。そうそう...」
みっちり1時間、主に
「うん。二人とも飲み込みが早いね。実戦にいこうか。武器の練習は?と思ってるかもしれないけど、武器は簡単だ。
「「はい」」
とくに妄想したチート能力が爆発する展開は無く、いきなり実戦か。
突刺せば勝ちとか。不安すぎる。心配だ。
我が愛刀は小枝しか斬っていないのだぞっ!!
フレッシュマンに遭遇したらトラウマで戦える気がしない。
北側の城門を抜け、森の中を切り拓いて作った街道を20分ほど歩いたところで、
「これから街道を抜けて森の中に入る。私達が毎日見回りして危険度が高い魔物は討伐をしているから大丈夫だと思うけど、何が出てくるかわからない。基本的に出てきた魔物と戦ってもらう。もちろん危険だと思ったら助けるけど、油断しないようにね」
「「はい!!」」
緊張しながら、森の中を進む。
兵士は私達から10m後ろを付いてくる。
私は自分のことで精一杯なので、隣に並んで歩く少女に気にかける余裕もない。
しばらく街道を背にして森を進む。
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