第12話


悪かった・・

悪いに決まってるだろと思う。それが謝罪の言葉なのか?あんなに殴っておいて

勝手に人を召喚とかいって拉致しておいて

何が聖女だ。

呼んでやった?頼んだ覚えは全くない。

私は夫とは二人で穏やかに暮らす事だけでよかった

その日常を奪っておいて悪かったってふざけんな。

もう少しましな謝罪なら子供がお兄ちゃんに認めて貰いたかったのかなと同情してもういいよと言おうと思っていたけど辞めた。

いくら財宝積まれようだって許せるか。

「悪かったって悪いに決まってるでしょ?私は謝罪って言ったのだけど?意味わかる?」

小馬鹿にしたように言うに言うとひたすら頭を下げ 弟にも強制している兄の手を押し除けて

杖をかまえる。

「黙って聞いていれば不敬ばかり 私が召喚してやったのだ 私の命に従え!!」

先程のステラを殴っていた杖をどこからかだすと

それを構えてこっちにむける。

「拉致 誘拐犯の言うことを聞くなんて死んでもごめんなさいだわ」

どうせ 戻れないならなにも惜しくはない。

あんなガキにい言うようにされる言いなりになるくらいなら死んだ方がマシだ。

忌々しそうにの杖にまた火の玉を灯しはじめる。

「エディっっいい加減にしろっ」

「エディっ辞めなさいっっ」

二人の兄が止めよう声をかけるが,だんだんと火の玉は大きくなっていく。

「煩い!!こいつは聖女なんかじゃない!ニセモノだっっ本当の聖女ならば国に尽くすのが当然だ」

その一言を聞いて本気で,バカだと思った。

誰がいきなり拉致誘拐されて 不具だと罵ってくる

わ 奇妙な乗り物に乗っていると珍獣を見るかのように観察してくる相手に尽くす思っているんだ。

手のひら返したみたいに聖女だから国を救って当たり前だと言われて了承すると思っているのか?

津波の一件はほっておくと大災害になる。

人が飲み込まれていく姿、建物が一瞬で崩れ落ちていく光景 平和な日常がいきなり壊れる

あの酷さは忘れられない。だからこうしたほうがいいと言っただけだ。

意識をそっちに飛ばしていると危ないっと言う言葉とともにアルフェルトが飛びついてきて光の様な盾を貼って火の玉を弾く。

「第三王子エディアールを拘束を命じる。魔封じの首輪の使用し地下牢へ」

兄のその言葉を聞くと呆然としながら庇われたわたしを見て悔しそう言う。

「兄上に何を言った!!何をした!!」

「何もしてませんけど?あんたが言ってる事がおかしすぎるからでしょうが」

癇癪を起こしてまた攻撃しようとしている弟を哀れに思う目で見て溜息をつく。

「エディ お前には魔法の天賦の才がある。そして正妃様の子だ。だから皆 お前の態度や行動に何も言えなかった」

それを聞くと攻撃しようとしていた手を止めて 真面目な顔でそう言った兄をみる。

「だがら今回の事は禁術を使った事だけじゃない。

お前はこの方の人生を奪った」

「聖女として呼んだのですっっ不満なんてあるはずないっ私に従えば欲しいものは全て与えてやりますし 不自由はさせません」

監禁DV男の常套句かよと冷めた瞳で相手をみると

その兄は頭を抱えて盛大なため息を漏らす。

「何回も言ってるけど呼んでなんて頼んだ覚えはない。こんな国の為に何かするなんてこれっぽっちもないわ」

指で1ミリ以下の隙間を作ってそういうと呆然とした顔をしていた相手は俯いたままきつく杖を握りしめてぶつぶつと言いはじめる。

「お前が お前がまともな聖女だったらっ 兄上達にも認めれたのに・・お前のせいで」

まともなっなんだって言ってやろうかと思ったけど

これ以上煽っても怒りに火を注ぐだけだろうしと

口をつぐむ。

いきなり 知らない所に呼ばれて貴女は聖女です。

この国の為に死ぬまで力を尽くして下さいって言わらて誰が笑顔ではうなづくんだと思う。

私にだってささやかだが幸せな生活を送っていた。

大事に思っている人も思われている人もいる。

あそこで死んだなら夫も諦めるだろうけどそうじゃない。

一人で外に出れない私がチコを連れて消えたのだ。

きっと疑問に思って探す方法を調べているはずだ。

そんな 私の日常を、潰して置いてまともな聖女になれだ?

言う事を聞けば不自由なく何でも与えてやる?

ふざけんな 何でもと言うなら私の日常を返せ

杖から火の玉がだんだん大きくなりこっちまで熱さがただよってくる。

ここで死んだら戻れるのかなと思っていると膝に陣取ってらたチコがニャーンと声をあげる

「チーちゃん 危ないからあっちいって」

両脇持って遠くの方に投げるが遊びだと思ってすぐに戻ってくる。

「聖女様 避難をっっ」

昼行灯な王子が剣を構えてわたしの前に立つ。

「無理 ここのカーペットの毛並みに車輪が取られてうまく動かないの ステラちゃん 巻き添え食らう事ないないし危ないから逃げて」

それをいうと後ろにいた子はぶんぶんと首を振る

「私が盾になりますっっお守りすると誓いました」

「そういうのはいいからじゃあ逃げてって命令にしたらいい?」

「命の誓いを破ればどのみち死をあるのみです。それに逃げるつもりはございません」

さらっと言われるがそんな事してくれって言ってないーーといいたくなる。

この国の人はなんでこうも極端なんだ、、

頭が痛くなってきた。

目の前ではイシュタールと言われていた弟をが体を張って弟を説得し、杖を降らせない様に引き止めている。父親の方も羽交い締めにしてはじめている。

「では 失礼しますっ」

そう言ってアルフェルトが私の事をチコごと抱えようとすると低い声が響き渡る。

『我の御子に触れるな』






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