第7話
「最低..」
思わずそう呟くとビクっとしたようにこっちに視線が集まる。
「さっきまでニセモノとか不具とかいうのをうんうんって聞いてた癖にこんな些細な雷と地震くらいで
子供のせいにするなんて・・」
呆れたと言わんばかりに言うとさっきよりも数段上の揺れがくる。
「聖女様 どうかお怒りを収めください 愚息とあの魔道士達は処断いたします。ですからどうか」
目の前で片膝をついていただけの王が土下座をして
どうか どうか・・と頭を下げ初める。
そんな事言われても私がやったわけじゃないし たまたま起こった自然災害を人のせいにすんなと思いつつ頭を下げている相手に言う。
「私 何もしてないんですけど? 取り敢えずこの揺れだと津波が来るかもしれないから海辺の人は高台に避難するようにした方がいいかと」
それを聞くと周りがザワザワし始める。
「津波?津波とはなんだ??」
アルフェルトが聞いたことがないと言わんばりに言ってくるのを見てこっちの方がへ?と思う。
「あーここ海に面してない国なのね だったら大丈夫なんじゃない?」
「面している!! 今すぐ騎士団の者達に民を高台へと誘導するように通達しろっ」
その言葉にはっと返事をすると何人かの人が走ってそこから出て行く。
「津波とはなんなんだ?どのような被害が出るんだ?」
「海水の洪水現象のこと 大きいものなら街一つくらい軽く流して飲み込んでしまうかな」
ざっくりとした説明をするとそこにいた人達は青くなり始める。
ザワザワとやはりとか 第三王子をとかいうヒソヒソ声が聞こえてきた時に扉が慌ただしく開けられる
「殿下っ 竜が 竜達が全く動きません!!」
「なっ どういう事だ」
「命令を聞かないのです。 一頭たりも竜笛をつかっても動こうとしないのです」
真っ青になりながらそう報告する人を見つつ 竜ってなんだ?? ホントここファンタジーの世界なの
と思っているとあの残念王子だと思っていたアルフェルトがこっちにきて跪く。
「レディ 貴女様の怒りは正当だ いきなりここに呼びつけられ謝罪どころか暴言を受けられた。
その罪は我ら王族が受けます故 民だけはどうかお許し下さい」
慌てて隣にあの美人な弟がくると同じように頭を下げはじめる
「兄上っ 私の監督不行届きでござます。 聖女様
罰は私が受けます。ですからどうか・・」
そんな事言われても私は何もしてないし 止めろと言われても自然災害を止める力なんてない。
罰と言われても そんなもの受けてもらっても帰れないなら意味もない。
ドSとかサイコパスじゃないんだから人が傷つけられるところを見せられても楽しいわけじゃない。
「あのね」
それを言おうとする前にパニックを起こした周りの人達がおこし始めたことにことばを失った。
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