第6話

「あ・・あいつが父上や兄上に不敬な態度だから跪かせてやろうと思って・・」

「不敬は我らです!お前がした事は拉致なのですよ

それを謝罪するのは当然の事です。何度言えばわかるのですか?!!」

「俺は父上や兄上のお役に・・国の為に!!」

こんな堂々巡り聴いてる暇なんてない 車椅子を回転させると床でぐったりしているステラのところにへと車輪を漕いで近づいていく。

顔にはすり傷 手は赤黒くなって腫れてきていた

頭も打ってるし揺さぶるのはと思い 頰を軽く叩きながら名前を呼ぶ

「ステラちゃんーー ステラちゃん」

手首を掴んで脈を取ってみるとトクントクンと動いているし顔に手をかざすと息をしている。

「心配されてるんですか?」

その一言でプチんと切れた気がした

「当たり前でしょうがっっ この子巻き添えくっただけなのよっ拉致だけじゃなくて都合悪くなったら殺そうって考えるとこもありえないわ てか一番ありえないのはあんたの父親よ 普通なら国の為に 国の為って言い訳ばかりいって犯罪犯してる息子の首根っこ掴んで謝らせてるわよ!」

それを聞くとぷっと吹き出してあははははと大笑いし始める。

こいつーーと思っているとぐったりしているステラちゃんのそばに来て手をかざす。

「癒しの光よ 彼のものを癒せ」

白い光が手から降り注ぐと顔にあったすり傷はなくなり赤黒くなっていた手も元どおりになっていった

う・・んと言いながら目を開けると驚いて飛び起きて私の顔や手足を触ってくる

「聖女様っっ お怪我はっっ お怪我はございませんか??」

それからハッとすると床に頭を擦り付けて申し訳ありませんっっと震えはじめる

「ステラちゃん?」

「わ 私のようなものが聖女様に触れるなどという無礼を・・申し訳ありませんっっ 私はどんな罰でも受けますが家族だけはつっ」

「ごめん 言ってる意味がわからないわ・・

むしろ私へのとばっちりで怪我をさせて痛い思いさせて謝らないといけないのは私なんだけど?」

その言葉に呆然としているのを見ると隣にいたアルフェルトが笑うのをやめて跪まづいてくる。

「レディ 貴女様を誤った目で見ておりました。

どうかお許しください。ステラだったな傷は癒えているが痛みは少しあると思う。明日はゆっくり休めよう手配しておく」

それだけ言うとエディアールっと叫んでいるイシュタールのちかくにいって肩をトントンと叩く。

「イシュ  もういい そこまでにしろ」

その言葉にエディアールの顔がパァと明るくなる

「「兄上」」

一つは喜びの一つは焦ったような呼び方だった。

「これで無駄だって事がよくわかっただろう?

父上ももう諦めて下さい」

冷たくそういうと拘束されているあのハゲとメタボのところにいってまるでサッカーボールを蹴るかのように平伏している頭を蹴り上げはじめる。

「聖女様は贅を要求され 獣人達を罵しるような

方だとお前達から報告を受けたが全くその様子が見えん どう言うことだ?」

泣きじゃくっているステラちゃんのあたまをを撫でながらその一言にはぁ???と声をあげる

「一言も言ってないし 聖女だかなんだか知らないけどそれすら私はそうですなんて言ってもいない。

私の希望は帰ることだけよ」

帰ったらまた炎の中かも知れない チコだけここに置いて戻れば死ぬときは少し苦しいかもしれないけど今までずっと迷惑かけてきた夫にいくばくかの保険金がおりる。

帰ることだけよというと頭を下げていた国王はさらに深く頭を下げて申し訳ないっっと謝り出して

アルフェルトとイシュタールは言葉を無くして黙り込む。

そんな微妙な空気を裂いたのはエディアールの言葉だった。

「お前馬鹿かよ さっきいっだろうが 召喚には何年も貯めた魔力を使うんだよっっ あと返す召喚なんてのは存在しないんだよっ 折角貯めた魔力だったのにお前みたいなニセモノの不具がでてぬるなんて死んで詫び・・」

相手は子供だと思いつつも怒りが抑えられなかった

ーいってらっしゃい 今日 生姜焼きだからねー

ーお肉いっぱいでー キャベツなしでいいよー

ーもう キャベツは山盛り用意してまーすー

数時間前にそう言って送り出した。 あそこにいたら大火傷おってももう一度会えたかも知れない。

それがこんな馬鹿なガキのせいで・・・

国の為 国の為・・ だったらこんな国潰れれば

いいのよ


ガチャーン ゴロゴロ ガチャーンとさっきまで晴天だった空が曇り雷が落ちはじめる。

そしてゆらゆらと建物が揺れはじめる。

震度3くらいかなぁと思っていると泣いていたステラちゃんの耳がペコっヘタってプルプルしだす。

チコはいつものように車椅子の下に陣どって避難してる。

地震対策 ほんとしっかりしてるよね 自宅だと

すぐソファーの下に逃げたし・・・

「聖女様っっ 何があってもお守りしまっ・・ひいっっ」

地震で揺れるたび短く悲鳴を上げながらも上からものが落ちてこないかなどを見つつ私を庇おうと抱きついてくる

「こんなやらで物なんて落ちてこないし大丈夫 てか雷凄いねー あ 落ちた」

音と共に光ったのを見てそういうとアルフェルトが驚いた顔をしてこっちに来る

「落ちたとは?レディ どう言うことですか!」

「雷 落ちたって事 音と光が同じくらいだったから近いとこなんじゃない?」

何言ってんだ?と思いつつそういうとさっきまで

余裕綽々だった態度が一変する

「どこに?どこに落ちたのですか??」

「さぁ・・」

そう言っているとガタガタと建物が揺れはじめる

今度はさっきより大きいなぁと思いつつも このくらいならよくあったくらいだし そうたいしたこともないかと思って居たが周りは避難だとかとこに逃げればと完全に恐慌状態だった。

「どうしていきなりこのような事がっ」

「エディアール様の召喚に守護龍がお怒りになられたのだ!」

その言葉にそうだ そうだと声が上がる。

大の大人が雷とちょっとゆれるだけの地震でおろおろして子供に責任押し付けるなんて 本当ご立派な

方々ですこと・・冷めた目であたふたしている人達を眺める。

さっきまでニセモノ 不具とかいうのをうんうんとうなずいてたくせにこんな些細な地震と雷で子供に責任を押し付けるって 親は親で頭下げてるだけで何もしようとはしない

言葉すらかけようとしない。

あの第二王子だけが怒って嗜めている。

この国ってなんなの?? 

王族っては初めてみたけどこんなに家族に希薄なものなんだとそれが分かるとなんだかあの生意気なクソガキが可哀想に思えてきた。







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