第4話 この匂いは?

体育は外でサッカーらしいので体育館履きは必要ないと言えばない。

しかし問題なのはこの体操服だ。

いくら洗濯されたとはいえ、昨日あの学年一の美少女が思い切り鼻に押し付けていたのだ。

ちょっとはあんなことやこんなことを考えちゃう。

だって男子高校生なんだもん。

男子高校生なんて皆飢えたちん○んじゃん(主人公の偏見です)。

例えば俺の右隣に座る彼。

俺の中の見知らぬ人以上友達未満の関係の田中くん。

おそらく趣味はアニメ鑑賞だ。

だって眼鏡クイッと上げる指が中指なんだもん(主人公の偏見です)。

そんな彼も男子高校生である。

教室に鷺沼さんが入ってきたらガン見しているしね。


まぁそんなことはどうでも良いんだ。

今は体育の前の10分休み。

俺に残された選択肢はこの体操服を着るか着ないかだけ。

そして俺は、着るという道を選んだ。

だって怪我してないのに体育休む男子ってむっつりじゃん(主人公の偏見です)。


意を決して俺は体操服を着る。

なんか嗅いだことのある花みたいなすっげーいい匂いがする。

もう一回クンクンと嗅いでみる。

決してあの女のように鼻を押し付けてはいない。

そして出した結論。


これ鷺沼の匂いそのまんまじゃねーか、と。

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