第3話 手紙
家に帰ってから重大なことに気が付いた。
明日も体育があるのだ。
今は6月の下旬、梅雨が過ぎてから気温は上がる一方だ。
最近は雨が降らないので、カラッとはしているがやはり汗はかく。
友達の体操服を汗で濡らすのも、汗で濡れた体操服を借りるのも嫌である。
まったく、鷺沼さんはなんて厄介なことをしてくれたのか。
可愛いとは思っていた。
それは俺だけでなく学校の男子全員の総意だろう。
男の教師の中には明らかに贔屓している人もいる。
まぁその教師の評判は下がる一方だが。
明日は体育の時間は見学するしかないかな。
そう思い、俺は体操服についての思考を放棄した。
そして翌朝、学校の下駄箱を開けると俺の体操服が袋に入った状態で置かれていた。
中を見ると綺麗に畳まれている。
そして1枚の手紙が添えてある。
「体操服についてはしっかりと洗濯しておきました。次は体育館履きをお借りします。by鷺沼愛梨」
俺はその場で手紙を破り割いた。
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