第48話 シゲル💙あゆみちゃん お別れです。
「あゆみ、シゲルさんと別れるの嫌だ!絶対別れない。ずっと一緒だって言ってくれたよね。どうして?」
「あゆみちゃん、これはすでに決まっていた事らしいのです。残念ですが」
じゃ、どうしてこれからもよろしくって言ったの?あゆみ納得いかないんですけど。
「……あゆみいい事思いついた。カケル長老と部長にビンタしてこようかな。考えが変わるまで。ビンタよ。ふふ、ふふふ」
「あゆみちゃん、いけません。また警察のご厄介になりたいのですか?もう」
シゲルさんがあゆみの冗談を聞いて笑っている。あゆみこの水谷スマイルが好き。もう見られないのかな、そんなの嫌だ。
「……ジュン君とスミコさんとお正月から一緒に暮らすんですね。本当に良かった。楽しみですね。僕はもうお会い出来ませんのでジュン君によろしくお伝えください」
「……そんな事言わないで、シゲルさん。あゆみ悲しくなっちゃうよ」
「大丈夫ですよ、あゆみちゃんにはジュン君がいます。あの子はあゆみちゃんを守ってくれますよ。ほらあの時も全力で守ってくれたじゃないですか」
「うん。ボヨッキーとトンゾラーからあゆみを、まも、守ってくれたね。でも、でもね、グスッ、あゆみはシゲルさんにそばにいて欲しいの」
あゆみのお部屋で一緒に紅茶飲もうよ。あゆみね、チーズケーキだけじゃないよ。アップルパイだって、シフォンケーキだってなんでも作れるんだから。
「……あゆみちゃん、ありがとう。僕はね、あゆみちゃんみたいにステップファミリーになる子供たちの心のケアをしたいんです。あゆみちゃんは正真正銘の両親と暮らせるから安心なんだけど、そういう子ばかりじゃなくてね」
「……そうだね、あゆみ、わがまま言っちゃってごめんなさい。シゲルさん、お仕事頑張ってね。あゆみもシゲルさんのおかげでいいアイデアが浮かんだの。シンヤ先輩に話したらとってもいいねって褒めてくれたんだよ。シゲルさんのおかげだよ。本当にありがとう」
あゆみ、思わずシゲルさんを抱きしめてキスをした。シゲルさんのおでこがリップで赤くなる。
「……あゆみちゃん、唇の圧がすごいですね。けど僕は嬉しいです。しばらくこのままにしておきます」
シゲルさんは頬を赤らめる。あゆみ、たまらなくシゲルさんが好き。この愛情をどうやって表現したらいいんだろう。
「あゆみちゃん、シンヤ君とお幸せに。彼はとてもいい青年です。僕も彼なら安心してあゆみちゃんを任せられます。……あゆみちゃん、さようなら」
あゆみ、涙が止まらない。青いジャージのシゲルさんを目に焼き付けないと。
「……シゲルさん、ツーショット撮ろう。思い出だよ。あゆみ、シゲルさんとのツーショットを待ち受けにするの」
いいですよ、とシゲルさんは言ってくれた。あゆみ嬉しくて何回も携帯で撮
る。シゲルさん、笑って。あゆみもう泣かない。笑顔のツーショットだよ。
「……そろそろお別れの時が来ましたね。あゆみちゃん、僕はあゆみちゃんと出会えてとっても楽しかったです。本当にありがとう。さようなら」
「シゲル、シゲルさん、うっ、あゆみ悲しいよ。淋しいよ。元気でね。さようなら」
あゆみはもう一度シゲルさんを抱き上げ、サヨナラのキスをした。
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