46.急に社会が怖くなくなり就労意欲が生まれる

 しばらく好きな事だけしようと、遊び惚けていた無雲でしたが、それが一~二年経過した頃に異変が起こりました。なんと、急に社会が怖くなくなったのです。そして、マグマのように熱く就労意欲が湧いてきたのです。


 何でいきなり社会が怖いのが治ったのかは謎です。遊びまくって心が満ち足りたのかもしれません。


 何はともあれ、こうして私はパートに出る事を決意します。

 しかしいかんせん職歴がほぼ無い。スキルも無いし資格も無い。


 さて、どうしよう。


 そこで私は近所のスーパーマーケットローラー作戦に出ます。そう、片っ端から電話して「何でもするから雇ってください!」と叫んだのです。

 結果、とあるスーパーマーケットのベーカリー部門にパートが決まりました。何事も情熱って大事。勢いと迫力で押せば社会の人は何とかこちらを受け入れてくれるようです。


 それから私はそこで頑張って働きましたが、パートリーダーのおばさんに嫌われてしまったみたいで仕事らしい仕事もさせてもらえないので、すぐに辞めてしまいました。辞めた一番の理由は、パートリーダーのおばさんが、私よりちょっと前に入ったパートさんを怒鳴りまくっている声が怖かったからなんですけどね。


 そして、その後私は「そうだ、医療事務やってみたかったんだ!」と思い出し、自費で民間の職業訓練校に通い資格を取得しました。お勉強だけは出来る無雲は、こういう資格の取得とかにはめっぽう強く、真面目そうな見た目からそこの先生に気に入られるのもけっこう楽勝でした。

 しかし、未経験だし経歴が胡散臭いのでなかなか就職先は決まらず。結局、資格を取った会社の正社員として医療事務員になりました。

 そして正社員として出向いた病院は第十三回に出てきたあの忌まわしい『でっかい病院』でした。

  

 そこからは、続編『続・無雲の生態~社会復帰して社会の荒波の中奮闘してます!編』にぼちぼち様子を書いてあります。


 『でっかい病院』『ブラック企業』両方に神経をすり減らし、統合失調症がぶり返し始め、希死念慮が出てきたところで退職。そして失業保険を貰いながら公共職業訓練に通い、またもやその訓練校のバイトとしてそこに潜り込み、スキルをいっぱい身に付けたところで雇い止めされる。

 そして今は、個人事業主として独立し、フリーランスで稼ぐために毎日試行錯誤の連続をしている生活をしている、というわけです。


 私はこの一連の流れで思います。

 『情熱』『勢い』『努力』

 この三点があれば、世の中というのは何とか渡って行けるものなのではないでしょうか。特に、『勢い』は重要です。相手に有無を言わせない迫力があれば、相手もたじたじで何となくこちらを受け入れざるを得なくなってしまうものです。


 私は、上記三点だけで空白の履歴書をあやふやにして就職を勝ち取ったり、スキル習得のためのきっかけをもぎ取ったりして来ました。もちろんそのチャンスを手に入れたら、努力も沢山します。寝る間を惜しんでスキルの習得に励みました。それは今もです。


 私は今、四十歳です。スーパーマーケットのパートに出たのは三十六歳の時でした。


 病気を隠したことで、発言に矛盾が出てしまい警戒されてしまったこともありました。うっかり病気がばれて、問題視されたこともありました。最初から障害オープンにしていたつもりが直属の上司しか知らずに『ごくごく普通のバイト』として扱われていたこともありました。


 失敗もいっぱいしました。

 色んな人に迷惑も掛けたと思います。

 両親・おいたんにも心労を掛けたと思います。


 でも、私は何も後悔していません。

 スーパーマーケットでの失敗も、ブラック企業での苦しい記憶も、辞めたくなかったホワイト職場で得たスキルも、全て私の財産です。全て、私の経験として私の心の糧になっています。


 やらないより、やってみる。

 当たって砕けてもいいから当たる。

 なるようになる。

 流れに身を任せてみる。

 なんとかなるさマインドで突き進む。


 今日はこんなまとめをして終わりたいと思います。

 次回は、回復期における『問題行動』についてまとめます。いよいよ、本編はあと二回となりました。本当に、ここまで読んで下さりありがとうございました! もう少しだけ、お付き合いくださいね♪



 

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