回復期におけるエピソード
42.逃げない、Eさん
この回からは、回復期におけるエピソードをまとめていこうと思います。あと七回くらいの予定でこのエッセイは終わりです。ここまで読んで下さってありがとうございます! 皆様の応援のおかげで暗黒の記憶と正面から向き合えました。本当に感謝感謝です。
今回は、私が痙攣で死にかけていた時・離脱症状でやっぱり痙攣していた時に、お付き合いを始めたばかりのEさん(おいたん)がどうしていたかを書きます。
Eさんとの出会いはB病院の喫煙所だったので、Eさんは私が精神疾患だという事をもちろん知っていた。しかし、付き合い始めて一カ月そこそこで死にかけるという事態に陥った私を見て、両親は「もうこれはEさん逃げちゃうかもね……」と話していたと後から聞いた。
結論から書くと、Eさんは逃げなかった。それどころか、ご存じの方も多いと思うがEさんは現在私の夫であるおいたんだ。
私が初めて痙攣を起こした時、Eさんは電話口でとても驚いていたような様子だったが、すぐに私の家に様子を見に来てくれた。何とか生きている私を見て、「無理するなよ」と言って帰って行った。
そしてその一か月後には私は離脱症状でB病院に入院してしまっていた。その時もEさんは足繁くお見舞いに来てくれた。私の気晴らしになるようにとマンガを買ってきてくれたり、近所のファミレスに行って「少しでも食べな」とプリンをごちそうしてくれたりもした。
その後も私は問題行動ばかり起こすのだが(それについては最後の方にまとめます)、ふたつの大事件の時もEさんは逃げなかった。大事件の要点だけ少し書いておくと、『OD(薬物の過剰摂取)で三日間意識不明』『週に三回くらい発狂する時期』ということがあったのだ。
私が逆の立場だったら、逃げ出していたかもなぁ、と思う。でも、よく考えてみたらEさんという人物もかなり根が深いメンタルの問題を抱えた人物なので、今となってはお互い支え合っているという良い関係なのかもしれない。
Eさんは私と出会った頃はM先生ではない医師に掛かっていたが、私の頭がクリアになったのを見てすぐにM先生に担当医を変えた。EさんはM先生に変わってから、「うつ病じゃないですね」という診断を受けて、メンタルの問題の本質であったPTSDに気付くことになる。そのお話は続編『続・無雲の生態~社会復帰して社会の荒波の中奮闘してます!編~』でちょくちょく触れています。
Eさんのメンタルの問題を書き始めると、もの凄く長くなるのでここでは省かせて頂きますね。
そんなこんなで、私の色々な問題から逃げなかったEさんとは、回復から三年後に結婚することになる。私は今でも情緒が不安定でさらには収入も不安定だったりする。そんな私を、Eさんはずっと支え続けてくれている。
Eさんと出会ってからすぐに死にかけはしたが、その後回復を迎えて就職もして仕事も出来るようになった。Eさんは、幸せを運んできてくれる福の神だ、と私は本気で思っている。
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