43.少しの間M先生のクリニックに通った話

 回復期を迎えた私は、B病院Y院長の事を激しく嫌悪するようになっていた。その当時はY院長はまだ院長としてB病院に君臨していたので、M先生の外来に行っても顔を見かける事が多かった。


 私を見かけるとY院長は「なんか変な注射打たれてるけど大丈夫? 幻聴聞こえない?」とか言って声をかけてきた。しっかり私のカルテは見ていたようだ。私は声を掛けられるたびに「幻聴なんて聞こえませんし、元気です!」と塩対応していた。そういう事が続いたので、B病院に行くこと自体嫌になってしまった。


 そんなある日、たまたま持効性注射剤の都合でM先生が院長をやっている、都内のクリニックに出向く機会があった。私は、それをきっかけにその都内のクリニックに転院した。

 M先生のクリニックは雑居ビルの二階にある小さいクリニックだったが、患者さんがえらい多く詰めかけているクリニックで、いつも待合室は椅子の争奪戦だった。


 M先生はの医師なので、入院施設の無いクリニックという形態で院長をしていると言っていた。でも、M先生はここのクリニックに週二回しか居ない。B病院にも週二回しか居ない。あともう一か所『C病院』に週二回行っているというのも知っている。

 M先生が言うには、「より多くの患者を救いたいから」あちらこちらの病院で診察をしている、ということだった。


 そして、一年か二年M先生のクリニックに通っている間に、Y院長がB病院から居なくなったと聞いた。そのきっかけは多分なのだが、これは書くと色々まずいので省略する。


 そんなこんなでY院長がB病院から居なくなり、私は結婚を機にB病院の傍に住む、という事になったので、またB病院に戻った。


 今もB病院に通っているが、Y院長が今どうしているかは、つい最近知った。私としては、Y院長には臨床から退いていて欲しかったが、なんと今もY院長は臨床医を続けていた。驚くことにM先生も働いている『C病院』で診察を行っているというのだ。そして、そこにB病院のY院長信者たちも通っていると聞いた。


 うう、相変わらずなんだな。今でも薬出しまくりーのてきとーな事言いまくりーの診察を続けていたとはっ。しかも信者はまだ信者やってる!!


 どうか、これ以上善良な市民の人生を潰さないでくれ。


 私はY院長のその後を知って強く思ったことがある。

◆医師免許というのはそうそう失効しない

◆医者の立場というのは本当に強い

◆ヤブ医者でも医者は医者


 そんなまとめをして、このエピソードは締めようと思います。次回は、頭がはっきりした後も何故無雲はデブなのか、という事について明るく軽いタッチで触れようと思います♪

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