31.誰でも好きになっちゃう病

 頭が働いていなかった当時、私は惚れっぽかった。というか、厳密にいえば『関わった人手当たり次第に好きになっちゃう病』だった。今回は、無雲の黒歴史の中でも最大級に恥ずかしい恋愛ネタについて書きます。


 統合失調症を発症した二十歳から回復のきっかけを手に入れる三十四歳まで、頭が働かなくなるにつれて私は惚れっぽくなっていった。最初の内は(一応)ちゃんと考えてお付き合いとかに踏み切っていたが、Y院長に担当が変わってからの多剤大量処方時代は、誰彼構わずに好きになってしまうという困った状態だった。


 その感情はほぼ一方的なものなので、ただ単に感情の問題なのだが、それでもたまにトラブルに巻き込まれることがあった。


 既婚者から言い寄られてうっかりその気になってしまい危うく不倫しそうになったり(実際はしてない)、ネットで知り合った人にほいほい会いに行ってしまったり(何もなかったですけど)、ちょっと優しくしてくれた人に愛の告白をしてしまったり。


 羅列してみたらもう穴があったら入りたい感じですよ。何でこんなに惚れっぽかったって、それはもうから来るものですよ。自分に生活力も無いのに誰かを好きになるとか、もう面倒見てもらう気満々じゃないですか。ほんともうこれダメな奴ですよ。


 なんだかねぇ、昔の同級生の事もうっかり愛の告白しちゃったりしたんですけど、友達のほうが冷静で「無雲さんは死んじゃいそうだから怖い」って断ってくれましてねぇ、良かった相手に理性があって(笑)。


 時には入院中に病気仲間といい感じになってしまう事もありました。お互い無職なのに、どうする気だったんだろう当時の私(笑)。


 こんな私を見てたら親はさらに冷や冷やしますよねぇ。ほんとにねぇ。


 寂しかった~ってのもあるんですかねぇ。当時の私を私は殴りたいですけども、甘えてた部分が多いですねぇ。誰かに寄っかかりたかったんですねぇ。寄りかかられた方はたまったもんじゃないだろうけど。


 でもね、そんな中神様は私にプレゼントをくれたんです。この誰彼構わず好きになっている状態の対象の一人に、あのお方が紛れ込んでいたんですよ。その名はEさんです。そう、です。


 次回はこのEさんについて掘り下げます!

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