30.役に立たないプチカウンセリング
A病院ではカウンセリングを受けさせられていた私だったが、B病院ではカウンセリングは受けていなかった。しかし、周りの友達がカウンセリングを受けているのを見て、私も受ければ良くなるのかな・楽になるのかな等と考えて、カウンセリングを受けたいと申し出た。
Y院長は「受けてもあまり意味ないとは思うけど」と言っていたが、結果として私は臨床心理士によるプチカウンセリング(十分間程度)を受ける事になった。
しかしこれ、Y院長の予言通りというかそれ以上というか、全く役に立たなかった。
話していてすっきりする事も無かったし、納得する展開になる事も無かったし、何より、話題を向けさせられる先(フォーカシング)がとんちんかんだった。
父親が大病で倒れた時は、その不安感を話したかったが、臨床心理士からは「そんなことより……」と突っぱねられられた。私としては人生の大事件だった父の大病を「そんなことより」と言ってのける臨床心理士を信頼できるはずも無く、このプチカウンセリングはあっという間に終了になった。
当時の友達数名はこの臨床心理士に陽性転移(恋愛転移)をしていたが、その良さがさっぱり分からないどころか私はその臨床心理士本人に「お前なんか陽性転移頻発させてるヤブのくせに!」と食って掛かってしまったこともある。要は相性も何もかもが悪かったのだ。A病院のカウンセリングを『役に立たなかった』と書いた私だが、その失敗をB病院でもしてしまった。懲りてなかったのか自分……。
今でもその臨床心理士をB病院で見かけるが、「あぁ、相変わらずハゲ散らかしてるな」と思うのみに留まっている。
こうして文章に書いてみて、改めて当時の私とカウンセリングについて考えてみると、当時の頭が全く働いていない状態でのカウンセリングは、それこそやる意味無かったろうな、と思う。
カウンセリングは、カウンセラーの力を借りて自分の心を見つめなおす作業だ。はっきり言って、頭が働いてない妄想の中に居た私にとっては、自分の心など見えるはずも無い。それがやっと分かったのがジャストなうの令和三年四月の事だ。理解するのに随分と時間が掛かってしまった。
しかし、こうも思うのだ。カウンセラーもプロなんだから、何年も「あいつは役立たず」と思わせてしまう仕事をしてしまうのはいかがなものだろう。それなりに相手を納得させる仕事をしてこそのプロだと思いますよ。
次回とその次は、意識朦朧の無雲の恋愛事情です。軽いテイストで二回お楽しみください!
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