第46話 新入生サバイバル
「え・・・・なに? 入学式くるの?」
「はい、だめですか?」
いや良いけど、なんか自分の契約した精霊に入学式に来てもらうってなんか恥ずかしくないか? まぁいいや・・・・
「俺も、クラウドも合格したから明後日から学校開始らしい」
「おや、ずいぶん早いんですね?」
「そうだなぁ、まあ早いことに越したことはないからいいけどさ」
そう言えばクラウドのお祝いをしていなかった。何か用意した方がいいな
「マスターの魔法練習ノートでも渡せばよいのでは?あの本はマスターの教育ブーストが掛かっていますから魔法習得に大きく貢献すると思うのですが?」
ディーネが俺の心を読んでそう言った。確かにそれはいいかもしれない。
「ちょっと渡してくる!」
「私が私に行きましょうか?」
「いや、プレゼントを他人経由で渡すのはどうかと思うぞ?」
そう言うとディーネは立ち上がり怒り始めた。
「マスター! 私とマスターは他人じゃないですよ! 全くもう!」
「え?なんかごめんな?まぁプレゼントは俺が渡してくるから待ってて」
クラウドの部屋の前まで行きノックをする。
「クラウド? いるか?」
中からどたばたとした足音がして扉が開いた。
「ど、どうしたの、エルビス君?」
「あ、なんか急いでたか? すまん」
「別にいいよ! 大丈夫、何の用?」
「ああ、これ、魔法の魔法練習本だ。読むだけで魔法がうまくなる!」
クラウドはゆっくりと本を手に取った。そしてパラパラとページをめくり驚きの声をあげる。
「す、すごい。わかりやすい! これエルビス君の書いた本ってことだよね?」
「そうだよ、まぁ一日読めばある程度うまくなると思う。」
「ありがとう! 何でこれを僕に?」
「お祝いだよ。合格祝い」
「ありがとう! これ一杯読んでエルビス君よりうまくなるから!」
そう言って一ページ目を読みながら部屋に戻っていった。なんか恥ずかしい。俺も部屋に戻り入学式の日まで大人しく宿にこもっていた。クラウドがその二日でどれだけ成長しているかなど考えもせずに・・・・
「クラウド! 早く行くぞ!遅刻する!」
「待って! エルビス君!」
俺とクラウドは、走ってサリナ―ル魔術学校へ向かう。寝坊した。試験の時に入った体育館の様な場所は新入生でいっぱいだった。入り口で俺の書類を受け取る。中にクラス番号が書いてある。俺はEクラスだった。
「クラウドはどのクラスだった? 俺はEだったけど」
「僕もEだ! 同じクラスだね!」
「そうだな、取り敢えず知り合いがいて安心だ。」
椅子に座る生徒会長があいさつを始めた。
「新入生の諸君! ようこそサリナ―ル魔術学校へ僕たちは君たちの事を心から歓迎するよ! さて、今年の新入生は過去最高の逸材がそろっていると聞いた。我が学校は入学時のテストの結果でクラス分けをしている。S,A,B,C,DそしてEだ。たとえランクが低いクラスだからと言って舐めない方がいい! 今年はそういう人材が多く入っている。今年の一年生は僕ら上級生とは違うパワーバランスになるだろう!」
ここで一言切って大きく深呼吸をした。
「では今から、毎年恒例の新入生ランキング戦を開始する!上位10人のクラス分布で設備の内容が大きく変わる心して挑むように。では初め!」
その声を聴いた瞬間に新入生たちが戦い始めた。ナニコレ・・・・聞いて無いんですけど?
「マスター・・・・合格時に渡された書類の中に書いてありました。」
ディーネが俺の横に来て教えてくれた。マジか・・・・
「ディーネは剣に戻ってくれ」
「はいマスター!」
ディーネが剣に戻ったとたん背後から魔法が直撃した。俺を当てた犯人の方を向きキレた。
「新品の制服が汚れただろうが!怒った.....こいつら地獄送りにしてやる」
俺が悪い笑顔を浮かべているのを見てクラウドが若干引いている。すると体育館の人間が次々と転移していくのが見えた。強制転移しているようだ。俺も気づくと外にいた。
『ファイアーレイン』
空に火球が舞い上がり爆発した。花火のように火花が落ちていくタイミングで魔術支配を起動した。着弾すると爆発する火花が一年生の頭上に落ちていく。
『ドーン』『バーン』といった音が辺り一帯で鳴り響く。
俺の持っているカードが光って数字が0から254へと変化した。おそらく撃破数だろう。これで半分以上は消えた。
残っている奴はさっきの攻撃を凌いだ優秀な生徒だ、遠慮はしない! だが先ほどの攻撃が俺だとわかったのだろう30人近い生徒が俺に魔法攻撃をしてきた。
魔法の世界なら俺の独壇場だ!魔術支配は制御能力のない魔法を支配下における。ここにいる一年のほとんどは魔法を打つだけ、まっすぐ飛ばすだけで制御はしていない。
彼らが撃った魔法をそのまま送り返した。アッと言う間にカードの数字が292となった。残り68人以下だ。ここからが本番だ!
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