第5話 褒賞


おおー!レベルが上がってる!


じゃねぇよ!!告知ってなんだよ。というか報酬が強制付与ってどういうことだ!報酬の癖に強制とかおかしいだろう!?しかもランダムとか…マイナス効果のあるものが来たらどうするんだよ…!悪質な押し付け詐欺だろ!

しかし……新しく固有スキルに追加されたスキルが名前だけで物凄そうってのがわかるな。

いや、良いスキルならば貰えんなら貰うけどな。だが強制ってのはなんか気にくわん。


「おい。なんか告知ってのが表示されて、固有スキルに強制的に技能が追加されてんだが」


「おめでとうございます!なにが付与されてました?二十層のボスははだいたいレベル20〜25あたりなので運が良ければ2つ付与されたりしてません?」


「おい。知ってたのか」


「そりゃあそれくらいは知ってますよ!」


このヒヨコ握り潰してやろーか…。


「ひゃあ!大地さんから負のオーラを感じます!」


「気のせいだ」


「嘘です!きっとこのヒヨコ殺してやろうか、とか思ったんです!ってヒヨコじゃないですぅー!」


「んなこと一言も言ってないだろ」


「あ、そうでしたね」


「それに殺してやるなんて思うわけないだろう?」


「ですよね!こんなに優秀なダンジョンフェアリーですし!」


「いや、握り潰してやろーかと思っただけだ」


「!?!?」


なんかびっくりしてるモモは置いておいて…スキルの詳細とか出ないのかね。鑑定スキルとかそういうのが欲しい。

ドロップ率上昇はそのままだとして時空間魔法か。アイテムボックスとか瞬間移動とかできるのか?


「なあ。ヒヨコ」


「ヒヨコ…私ってやっぱりヒヨコなんですかね…。ニワトリに進化しちゃうんですかね…。他のダンジョンフェアリーは犬とか猫みたいに可愛らしかったですし…。ヒヨコは可愛くないですかね…?」


なんかぶつぶつと呟いていた。

こわっ。


「ま、まあほら。ヒヨコでもモモは可愛らしいぞ?」


「!!ですよね!もー大地さんはツンデレってやつですね!」


慰めなきゃよかった。二度と慰めようなどと思わん。


「それより固有スキルについて聞きたいんだが。二つじゃなく三つ。ドロップ率上昇と時空間魔法、超速再生なんだが」


「!?!?」


先程とは違った驚き方だ。

やっぱりすごいスキルなのか?


「ドロップ率上昇はすごいですよ!ボスは別として普通の魔物は倒しても何も残さないこともあるのですがそのスキルがあればほぼほぼドロップします!かなり上昇します!なので最高です!」


あん?時空間魔法が凄いんじゃないのか?


「ほーん?それで時空間魔法は?」


「は、反応薄いですね。凄いスキルなんですよ?」


「まあないよりあるほうが良いスキルなのは間違いないだろうが…戦闘に使えそうなスキルの方が今は助かる。だから時空間魔法が気になる」


「そ、そうですか…。それで時空間魔法ですね。強力だし珍しいスキルなのは間違いないのですけど…」


「けど?」


「扱いが難しいのです。想像力と多くの魔力、精緻な魔力コントロールが必要なので、自身のレベルと、魔力操作とか魔力上昇などのスキルがないとほぼ死にスキルですね」


まじか…。

いや、それこそドロップ率上昇が付与されたんだ。魔物を倒していけばそういうスキルも手に入るのだろう。多分。


「超速再生は?」


「再生の上位互換です。再生速度が上がります!」


「それだけ?」


「えーっと…。私の知識にはそれだけです」


「命の恩人…恩スキルの再生が早速死にスキルになったな…」


「まあまあ!より死ににくくなったんですし結果オーライってことで!」


まあ今更どうしようもないしいいんだが…選べるようにして欲しかったわ…。


「ところでレベル1でボス討伐した褒賞とレベル差で魔物討伐の褒賞。どれもランダムとか書いてあったが固有スキルは確定なのか?」


「ランダムですね!基本的に固有スキルを与えらますですが、戦闘スキルでも耐性スキルでも大体が有用なスキルか自己鍛錬では手に入りにくいスキルです。まあハズレスキルもありますけど。後はランダムと言ってもその人に適性があったスキルからランダムですね」


「そうか…。わかった。とりあえず今後は魔力操作と魔力上昇スキルを手に入れることが目標だな」


「これからもサポートしますよー!頑張りましょー!」


その後散々鬼畜と言われたことは許していないことを伝え鷲掴みにして少しずつ力を入れていく。所謂アイアンクロー…モモは小さいから全身握っているが…とりあえずお仕置きを敢行した。その結果ヒヨコが生まれて初めて地に落ちた。

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