第5話


「え!? えぇっ!! うそだろ!? 瞬間移動!?」


俺は驚きのあまりその場にヘタリ込んでしまった。 まさか…… 瞬間移動するなんて、 ありえないだろ!?


「俺は夢でも見てるのか……」


ササラとリムは驚く俺をまじまじと見つめていた。


「貴方…… 魔法をしらないなんていったい何処から来たんですか?」


「ど、 何処からって。日本に決まってるじゃないか!」


ササラとリムはその言葉に驚いた表情のまま固まっているようだった。 


(まずい事でも言ったかよ。いったい何の沈黙なんだ……)


リムは暫くすると口を開く


「日本…… たぶん。 異世界。貴方は男?」


「異世界? ここは何処なんだ? てか、 どう見ても俺は男だろ……」


その言葉にササラの表情は驚きに満ちていた。 必死に何か言おうと身を乗り出して来るほどだった


「ほ、 本当に男なんですか!! 初めて見ました!」


「おいおい!? 男なんてその辺にゴロゴロいるだろ……」


リムは俺から視線を外さずに首を振ると淡々と答えていく


「この世界。リベルタには男…… 少ない。 現在10人いるだけ。 リベルタは10の勢力に分かれてる……

それぞれ。 10人の男が治めている……」


「へ…… マジで異世界? 男10人ってお前ら親は……」


ササラは興奮をおさえきれずに喋り始めるが、 平凡な生活を送ってきた俺にとってはとても理解できない内容に、 驚きを隠せなかった


「私達ホムンクルスは女として生を受けます、此処では親なんていないんです。

リベルタにおいて、 男とは神です。

私達ホムンクルスに力を与えてくれる偉大な存在なんです!」


(ホムンクルス? 人工生命って事なのか?いやいや。 どう見ても人間だよな…… むしろ3人ともその辺のアイドルより可愛い美少女だろ)


ササラは俺を崇める様に見つめていた。


「神て…… もし本当に此処が異世界で、 ササラさん達が人工生命だとしよう。

その…… なんだ。

さっきの発情ってどう言うことかな……

とっても聞きにくいんだが、 肉体的に俺の世界の女性と何か違うのかな…… なんて」


俺は聞きにくい事を申し訳なさそうに確認して行くのだった。

仮にもし異世界だとして、 ホムンクルスの彼女達の構造など俺には知る余地もないのだから。


リムとササラは互いに目を合わせると

少し悩んでいる様子に見える。


「発情は。 男性の生命力を受け入れる準備。 私達ホムンクルスは…… 男性の生命力の恩恵で力を授かる事ができる。

生命力とは体液の事。 体内に取り入れる事によって……  他の男性の影響を受けにくくもなる。


貴方の世界の女性との違いは私には分からないです」



俺はその後もしばらくは2人に色々な疑問や質問を投げかけていくが、 リムとササラは嫌な顔一つせずに質問に対して答えてくれるのだった。









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