第3話
ササラは少し疲れた様子で2人に寄りかかっているが、 先ほどよりは少し体調が戻っている様に見えた。
「ごめんなさい…… アリスさんにリムさん」
3人の対応を見る限り顔見知りの様に思えた。
これはありがたい、 体調も少し落ち着いたように思えるし、 もう安心だな。
「まさか、 ササラ先輩だとは思いませんでした。 それより、 いったいどうしたんですか? 」
アリスは表情を曇らせて優しくササラに問いかけていく
「たまたま路地裏に人が座り込んでいたのを発見したの…… 助けるつもりがその人に肩を貸した途端に、 わ、私の身体が突然…… 熱くなってしまって」
ササラはさっきの出来事を思い出してしまうと、 少し赤ら顔で俯いてしまうのだった。
「な、 なんかすいません…… 」
俺は3人に頭を下げると、 足元がおぼつかなく少しフラついてしまった。
「あの、 此処じゃなんだし私の部屋にとりあえず行きましょう! ササラ先輩も貴方もまだ体調が優れないようですし。 決定! 」
アリスはそう言うと、リムは少し頷きながらササラを優しく立ち上がらせる。
「貴方もって…… いやいや、 見ず知らずの俺を部屋に入れるなんて、 流石にそこまでお世話にはなれないよ。
それに…… ほ、 ほらっ。 歩けるぐらいに体調戻ったから大丈夫だから! 」
俺は引きつった笑顔で親指を立てて見せた。
アリスは溜息を吐くと顔の前で手の平をパタパタさせてみせた。
「どう見ても顔色悪いし。 ヤセ我慢はいいから行きましょう!
それにレッドネームでもないんだし。 遠慮なんかしなくていいですよ! 」
アリスはそう言い捨てると先導する様に歩いて行くのだった。
おいおい…… 今年36のオッサンだぞ?
中年のオヤジが女子高生の部屋に上がったらどう考えても犯罪だろ…… てか、 レッドネームてなんだよ! 今流行ってる言葉か?
それよりこの子、 オッサンを前にもっと警戒しろって!
いい歳こいて酔い潰れたあげくに、 路上でぶっ倒れてたなんて情けなくて言えないだろ
こ、 ここは丁重にお断りしなければ……
「いやいや、 アリスさん本当に大丈夫だから!?
リムさんにササラさんもありがとう!
助かりました!!」
俺はソソクサと逃げる様に3人に別れを告げると同時に路地裏を駆け足で走り抜けるのだった
「ちょ、 ちょっとっ!! フラフラなのに走るとあぶなっ…… い……!?」
アリスがそう言い終わる前に、 俺は地面にひれ伏すように盛大に転ぶのだった…… ぐべぇ…… 恥ずかしすぎて
し、 死にたい……
「「「大丈夫ですか!?」」」
3人が同時に叫ぶ声がしたが、あまりの恥ずかしさと情けなさで直ぐに動く事ができなかった
(ヤバイめっちゃくちゃカッコ悪いやんかぁ。オッチャン本気で転んでしもうた……)
俺は情けなくて暫く動けないでいると、ふと視界に誰かの足元が見えた。
「ハァ…… 大丈夫?」
倒れている俺の目の前にアリスがしゃがみこんでいた。
アリスはそっと手を差し出すと、 ニコッと微笑みかけてくれた。
「ほらほらそんなところで寝てないで起きれる?」
(アリスさぁ〜ん! キミはなんて優しい女性なんだぁ…… そんな思いを感じながらも、自然とアリスのパンツに目が行く俺は良い死に方はしないだろう
なんだこの最高のアングルは! 今日は俺の誕生日なの…… か!?)
不埒な気持ちを泣きながら振り払うと、 可愛らしいパンツから視線を逸らすと、 ようやく身体を持ち上げていくのだった
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