第2話
「ホントにすいません…… またこんな事にならないように気をつけますので……」
介護されてるとはいえ、 まだフラフラしてしまう足元は、 今にもバランスを崩して倒れてしまいそうだった。
グラつく視界に目眩を覚えると、 肩をかしてくれている女性に申し訳ない気持ちを覚えつつ少し体重を預けていた。
「おっと…… す、すいません……肩まで貸してもらっているのに……!」
ふらつきながらも女性に声をかけると、 突然視界がグラグラと揺れはじめていく
「あぅ……!!うぅっ」
あ…… これって俺がフラフラしてるんじゃない、あ、あれ? 女性が震えているのか?
そこにはシュールな光景ながら、 まるで産まれた子鹿の様にプルプルしながらも肩を組む男女が立っていた
「ひぁっ…… うぅっ!身体が熱いよぉ……」
突然発せられた声に思わず女性から腕を離していた。 俺はフラつきながらもなんとか自分の足だけで倒れずに立っていられるようだった。
しかし、 俺とは対照的に女性は力が抜け落ちたかのように膝を着くと、手足に力が入らないのか四つん這いの姿でただ震えるのだった。
「え……!だ、 大丈夫ですか!どうしましたか!?」
女性は小刻みに震える唇を噛みしめながら、 何かを必死に耐えているかのようにみえた。
「あぅっ…… 私…… へんに…… なりそぉ……」
な、なんだ!? なんかヤバイよな……
絶対助け呼んだ方がいいだろ!?
とっさにキョロキョロと周りを見渡すと、どうやら此処は一本の路地裏になっている様だった、とりあえず路地裏から抜けて道まで出れば誰かいるかもしれない!
「ち、ちょっと待ってて! すぐに誰か呼んでくるから!」
おぼつかない足取りながらも必死に歩き出す
頭痛で頭割れそうだが…… さっきよりは少しだがマシになってきている…… これなら何とか行けそうだ。
ようやく路地裏を抜け出すと、誰かいないかと辺りを見回してみる、 見慣れない景色に困惑してしまうが、 今はそれどころではなかった
「いた! す、 すいません! 路地裏に体調が優れない女性がいるんです! 申し訳ないんですが手伝ってもらってもいいですか!?」
必死の呼びかけに気がついた2人の女性は首を傾げると、俺の指差す方向に視線を移していた。
「リム行こう!あそこの路地裏みたい!!」
そう言うと高校生ぐらいの女性は迷いなく走り出していた。 良かった…… これで安心だとホッと胸を撫で下ろしてしまう。
「待ってよアリスぅ~!」
後を追うようにリムと呼ばれた女性も駆け出して行くのだった。
遅れながらもフラフラと女性の場所に辿り着くと、 さっき声をかけた2人に抱えられる様に地面へと座り込む女性に視線をやる
「ササラ先輩! 大丈夫ですか!」
アリスと呼ばれていた女性が、先ほどの親切な女性に声をかけていた。 先程の優しい女性は、どうやらササラと言うらしい。
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