第4話:やさしさ
「・・・」
女「また黙る」
「・・・ごめん」
女「あなたが思っているほど世界は平和ではないしやさしくもない・・・ただそれだけ」
「私があなたにしてあげられることって・・・ないのかな?」
女「・・・そうだな・・・あ・・・」
「なに?」
女「2つあるかな」
「させてもらえないかな?」
女「そうだな・・・1つ目は簡単、私の話を聞くだけ」
「・・・?」
女「私を引き取ってくれた老夫婦なんだけどね」
「・・・」
女「・・・あ、大丈夫、ひどいことをされたんじゃなくて、その逆」
「・・・え?」
女「やさし過ぎて困るの」
「・・・」
女「いままで人として扱かわれたことがなかった人間がだよ」
「・・・」
女「いきなりやさしくされたらさ・・・どうしていいかわからなくてね・・・」
「・・・」
女「もう何も聞かずにただ、家族として接してくれるの」
「・・・」
女「私のいた世界はなんだったんだろう・・・ってね」
「・・・」
女「私はこの人たちのために生きたほうがいいのかな?って・・・どう思う」
「それは・・・すごくいいんじゃないかな?」
女「ありがとう・・・彼らが生きている間は・・・」
「・・・それは・・・」
女「ん?・・・あぁ、そんな顔しないで」
「・・・だって」
女「だって、私の生きる理由なんてないもの・・・話はこれだけ」
「・・・2つ目は?」
女「聞いてくれる?」
「・・・」
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