【期待】

あることが起こるのを、またはある状態になるのを当てにして待つこと。心待ちにすること。「―はずれ」「―に添う」「―を裏切る」「―を寄せる」


【希望】

①こうあって欲しいと願い望むこと。また、その願い。「ご―に添いかねます」「進学を―する」

②未来に対しての明るい見通し。「人生に―を持つ」

③[文法]願い望む意を表す言い方。助動詞「たい」(口語)。「まほし」「たし」(文語)を付けて表す。


引用元:旺文社国語辞典



思い返せば、期待されて育てられてきた。

誰かの夢とか幻影を背負ってきた気がする。


行きたかった大学に行くことも、やりたい仕事に就くことも、私の希望だったのに

名前のある大学に行くこと、胸をはっていえる仕事に就くこと

誰かの言ったとおりになっていく自分がいやだった


私の夢が誰かの夢として実現するのがいやだった


「長女だから」

「努力できる才能を持っているんだから」

「やればできるはず」


そんな言葉たちが希望を使命にした。

ちゃんと務めを果たせない私は必要とされないし、認めてはもらえない。

1つをクリアしても、また別の使命が発生する。

何をクリアしたら私は私だと完全に認めてもらえるのだろう


私たちは自分で自分を認めることが出来ないから

他人の尺度を利用して、自分を認めようとする

でも他人に出会い続ける限り、千差万別なフィールドの尺度に遭遇し

欠けている自分に遭遇してしまう

でも、他人の尺度を利用してしまうのは仕方のないことだ

なぜならば、この社会で生きている人の尺度を参考にすることで

自分もその社会の中で生きていける見通しがたつからである


承認されたい。そうやって生きてきた私はそのうち、期待されるのを受け身で待つのでなく

「これをしたら、きっと喜んでもらえるんだろうな」と

逆に他人に期待するようになった


多分これが最善、この選択肢が一番良い

他者にとって最も有益だと考えられる行動を取るようになった


だから、大学生活にかかるお金を自分で支払ったり

就職がなかなか決まらなくても地元には帰らず、関東で生きていこうと決めた


誰かが好きな自分が、自分の好きな自分だったし

誰かに好かれたり必要とされない自分は存在価値がないと思った

生きている時間になんらかの生産性がないと無駄な時間だと感じるようになり

バイトを増やしたり、履修を増やした


自分がこうなりたいよりも、こうであってほしいと願うようになった


でも気付いたんだ、こうであったらきっと喜ばれる、そんな自分になっても

誰かの1番にはなれないということに

ただ、自分で自分を慰めるしかないことに


ただの良い人、でも差し支えはないはずだった、あんな感情を持つまでは

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