「それでね、悲しくなって、楽しかったときのことを思い出すの。そしたら、大学3年生と4年生の時の事ばかりが思い出されちゃうの。

部活でいろんな遠征したことや優勝したことはもちろん、練習試合帰りに東京で飲み歩いたり、ディズニーランドに行ったこと、ハーベストのメリーゴーランド、観覧車もいろんなところの乗った。外で食べたご飯もどれもこれもおいしかったし、しょうちゃんの作ってくれたご飯もおいしかった。トマトの麻婆豆腐、パイナップル入りの酢豚、あとあの日失恋して泣いてきたとき、夜中の二時に作ってくれたエビフライ。全部全部、おいしかったし思い出。

楽しかった日々を思い出せば出すほど、もうその日々が返ってこないんだ。すぎてしまった日々なんだ。って感じた。そう思うと、急に不安になった。しょうちゃんとは遠くなったけど、会えなくなったわけじゃない。でも、しょうちゃんがいない日々を想像すると、とても怖くなった。しょうちゃんといた日々があまりにも幸せすぎたから、余計にそう感じるの。

でも、それが悪いことじゃない。だって、そんなすてきな思い出に出会えなかったのかもしれないんだから。本当に、花が咲いたようなすてきな二年間だった。

そして先に書いた、奨学金も親も何も悪くない。奨学金があったことでしたいことが出来たし、親に悪気がないこともわかっている」。

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