天の声
夏の暑い日、特に予定もなく小さなアパートの一室のベットの上で俺は何もすることがなく天井を眺めていた。
「退屈そうだな」
誰かが俺に話しかける。しかし部屋の中には誰もいない。3ヶ月くらい前から心の中でその知らない誰かと会話が出来るようになっていた。
「またお前か、一体誰なんだよ」
俺は心の中でその高くて滑舌の悪い声に返事をする。心の中にまで話しかけられることなんて普通ならありえないしそんなテレパシーを使えるような人物に当然だが心当たりもない。
「しかし、今日は冷えるな〜」
唐突にその男は気温について話し始めた
「今は8月だぞ何言ってんだ」
「あーこっちの世界は12月なんだよ〜」
「こっちの世界?この人はもしかして異世界人なのか?今俺が住んでいる地球とは違うところにいるのか?」
「確かにお前とは違う世界にいるがちゃんと地球にはいるぞ〜」
謎の男が言っている意味がよくわからなかった。というかテレパシーで話しかけている男の言っていることなんて理解できてたまるか
「しかしショートショート作家ってすごいよな、星新一さんとか、よくあんなに設定思いつくよな〜」
「ショートショート?星新一?なんの脈絡もなくそんなこと言われても俺にはよくわからん」
「俺も興味本位でショートショート書いてるけどネタが思いつかないんだよね〜」
謎の男はショートショートを書いている人らしい。こいつは作家か何かか?
「寝転がりながらスマホで執筆してるから右腕が痛いわ〜」
執筆中にテレパシーを使って会話しているのか?意味不明だな
「おいお前‼︎俺のこと不審人物だって思ってんだろ‼︎お見通しだからな〜」
「バレてたか、言っていることが訳わからないし言ってることめちゃくちゃなんだよ」
痛っ!
謎の男に愚痴を言った瞬間上からタライが降ってきた。しかも何もないところから
「悪かったな‼︎文章力無くて‼︎」
キレ気味の謎の男
「あんた神様かなんかか?」
「お前にとってはそうなるかもな」
こいつは3ヶ月前に「ノリでショートショート書いてみたぜ」とか言っていたし「幽霊の出てくる話なんか面白くね」と言っていた。「焦燥ってタイトルも適当すぎたな」ってセリフを聞いたのが2ヶ月くらい前、それ以来音沙汰無しだった。今日はよく喋るな。
「そろそろ伏線も思いつかなくなってきたからやめるわ」
やっぱりこいつの言っていることの意味がわからない
「そろそろ投稿するわ、
ショートショート天の声」
この言葉を最後にこいつとの会話は途切れた
いつ戻ってくるのか、俺にはわからん、
ショートショート焦土商都 有象無象 @sengafork4149
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