第3話

真知子は、前から性の欲求が人一倍強いのではないかと悩むことがあった。思えば早熟だったように思う。もともと体格も良く、ブラをし始めたのも、初潮が始まったのも同じ学年でも早い方ではないかと思った。

もちろん聞いてまわるようなたぐいの話ではないが、思春期の女子が集まればそういう話や悩みでもりあがったりするものだ、まだまだ恋に恋する時期ではあったが、彼氏のいる女子もいたし、ひそひそ話をすれば性に関する話題で持ちきりだったりもした。だが、この時期から、一人で気持ちよくなることを知っていたのは早いほうではないのだろか?、と思う。


真知子はその頃、弟の部屋のベッドの下に隠してあった青年雑誌やエロ雑誌のグラビアやヌード、男女の絡みの写真やセックス情緒だらけの漫画や読み物を見つけると、黙って一冊自分の部屋に持ち帰ったことがあった。そして、夜寝る前、布団の中でこっそりとページを開いた。それを見てもふしぎと嫌悪感は感じず、変な気持ち持ちに襲われたものだった、本当にそんなに気持ちいいものだろうか、「いい、いい」とよがったりするものだろうか…。

高校2年のいつ頃からか、そのうちいつしか自然と、雑誌を持っていた指を自然と身体の下の方へと伸ばすようになった、指で、その部分を下着の上からつよくおしつけたり、割れ目に沿って指さすったりしたものだ。すると生理でもないのに身体の真ん中が潤ったりするのを感じ、てっとり早く快感を得られるのを覚えた。

それからというもの、風呂上がりや夜寝る前に、ベッドの中、うつ伏せになり指をあそこにあてがって腰で圧迫したり、下着の布の中に手を忍び込ませると、秘部を指で強く圧迫したり、恥毛の中、しっとりと潤った割れ目に指を這わせると指を上下にさすたりした。こうすると体の奥からうずく感じが快楽の波に変わりして気持ちよさに浸った、それは、いわゆる絶頂感とは程遠く、実際、イクッというのはどんな感じなのだろうかと思った。こうして快感を得たあとは決まって罪悪感を感じたものだった、こんな事が母親にバレたらどんな顔をして怒るだろうか。学校の女子の中でもこんのことをしているのは自分だけではないかと思った。同級生の誰もがこんなことをしているとは思えなかったし、やはり自分は人よりもひときわ性の欲求が強いのではないかとおもった。

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