第4話 光田商店

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昨日は民泊のある家に行き、

管理人さんに神社まで案内してもらった。


神社の品物を一通り見たが、

御神酒は無かった。

お清めの水と塩だけでお酒はなかったので

塩だけ頂く事にした。


家に帰る途中、神主が話しかけてきた。


神主の見た目

黒髪でパーマがかっていて前髪が少し目にかかる今どきな髪型。

20代前半くらいの見た目で180センチ以上の身長でモデルのような雰囲気だった。


神主はコミュニケーション能力が高く、見知らぬ私に普通に話しかけてきた。

爽やかで親しみやすいイケメンで

私でも下手したら惚れそうになった。


神主は買い物帰りだったのか米を持っていた。

2人用にしては多い量だったので、近々観光客が来るのかもしれない。


神社のSNSを見ていると、少し変な点があった。

若い男女のアカウントが、神社に来てから更新されていないものが数個あった。

男性は彼女と一緒に神社に来ていることが多く、

後は女友達同士で神社に来ていた。

このアカウントと行方不明になった人たちが一致するか本部に調査をお願いした。

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起床し朝ごはんを食べながら

今日やることをリスト化する。


今日は買い物に行って、管理人さん以外の人から村の事を聞いてみよう。

村から街に出る方向に小さいスーパーがあり

調味料やちょっとしたお弁当など売っていると聞いた。

引っ越すときに食料は少し持ってきていたが、無くなりそう。


荷物を置いて昼ご飯を食べたら、村を散策して新しい情報がないか探してみよう。


今日は明け方に雨が降り、いつもより過ごしやすい気温だ。

外で色々行動してみる事にした。



街に向かっていく方向に歩いていると

車が横につき、窓が開く。


「金武さん、おはよう。」


「流尽さん!おはようございます。」


車の中に30代くらいの女性2人が座っている。


「観光に来た方ですか?」


「今街の駅まで送るとこだよ。金武さんも街へ?」


「いいえ、スーパーに行くとこです。」


「ああ、そうなんだ。助手席乗りなよ。スーパーまで乗せていくよ。」


「え!いいんですか?」


「うん。どうぞー。」


「ありがとうございます。」


いやぁラッキーだな。


観光客に少し話を聞いてみたかったので

声をかけてみる。


「あの魅流神社行ってきたんですか?」


「…はい!昨日の夕方頃行きました。」


「あそこ素敵ですよね。写真映えしますよね。」


「素敵ですよねー、神主さんもイケメンだったし♡」


「ねー♡」


「確かに綺麗な顔立ちですよね。」


と神主目当てで来た様子。

お守りをお揃いで買ったことや、この後電車に乗って少し行ったところの温泉街に泊まるというたわいもない話をした。


あっという間にスーパーについてしまい、

あまりいい情報は得られなかった。


というか…


スーパーというより商店という言葉の方が合いそうなスーパーに着いた。


木造で、外にアイスクリームなど冷凍物が入っている冷凍庫がある。

中に入ると、リフォームされているのか

クリーム色の壁紙で冷蔵用の棚が埋め込まれている。

そこには、3種類のおにぎり、2択の弁当、冷えた飲み物数本が入れられている。

あとは常温保存がきく食品が棚に並ぶ。


必要なものをかごに入れレジに行く。

レジ番のおじいさんは、なんだか頑固そうで話しかけにくそうな人だ。


「最近越してきた人かい?」


「あ、はい。金武と申します。これからよろしくお願いします。」


「…おう。よろしく。」


あまり会話を広げたくないのか?


「あの…」


「下手に行動すると危ないぞ。」


袋に入れ終わった品物を渡され、おじいさんはTVを見に椅子に座り無言になってしまった。


「ありがとうございます。」


と礼を言い、外に出る。

なにか知っているのだろうが、今はダメなのだろう。


誰にも見られず来る必要があるな。

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