第5話 限界集落
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スーパーに向かう途中に流尽さんと会い、車に乗せてもらう。
その中にいた観光客/30前後の女性二人は
神主目当てで来た様子。
御神酒については何も話していなかった。
スーパー(光田商店)のおじいさんに
下手に動くと危ないと忠告される。
あの人は何か知っているかもしれないので、また近々行ってみることにした。
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家に一度帰り、購入したものを片付ける。
「インスタントのラーメンでいいか。」
鍋に水を入れ火にかける。
別分けで作るのが面倒なのでいつも煮込みラーメンになる。
ねぎと卵を入れ、火を通し皿に盛る。
TVを付け昼のニュースを見ながら食べる。
[ブブッブブッ]
携帯電話が鳴る。
液晶を見ると本部からの電話だ。
電話に出る。
「はい、お疲れ様です。」
『昨日のアカウントの件で連絡した。』
「どうでしたか?」
『金武が見つけたアカウントと、行方不明届が出されている者が一致しているのが6人いた。
新しくこの村で行方不明者が出ていることがわかったので、こちらでも調べてみることにした。
またなにか分かったら連絡する。』
「はい、お願いします。」
電話を切る。
またここの村に訪れた人が行方不明になっている。
しかし今日みたいに管理人さんが送ってくれるのであれば何も問題なさそうだが…。
行方不明になってしまった人は殺されているのか、生きているのか。
ご飯を食べ終えて外に出る。
今度は、外の村の様子を見ておかしいところがないか探ろう。
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1~2時間散歩をして見たが、農作業など外で仕事している中年から老人しかいない。
本当に若い人、子供もいない。
そこが一番不可解な村だ。
限界集落に近づいている村なんだろう。
見た感じ男性比率が高い村で、女性は老人と呼ばれる年齢の人しかいない。
村から出て行ってしまった者は、多分戻らずにそのまま生活をしているんだろう。
元神主が妻を見つけるより、子供を持つことを先に考えたのだろう。
そんな気がする。
今の神主は巫女と結婚しているのかもしれない。
そうすれば神社はとりあえず安泰だな。
ただ散歩をしているだけだったのでそんなに情報は得られなかったが、
とりあえず若者がいない村ということはわかった。
日が暮れてきたので家に帰っていると、
神主が前方からこちらに向かって歩いてきた。
神社に帰るのか。
「こんばんわ。」
「こんばんわ、また会いましたね。」
「お帰りですか?」
「はい。仕事の関係で、今街から帰ってきたとこです。」
「そうなんですか、お疲れ様です。私は休日だったのでのんびり散歩をしていたところです。」
「いいですね。この村は空が広いとこくらいしかいいとこないですから、散歩に最適ですよ。」
「確かに景色はいいですよねー。」
「どうですか、この村。慣れましたか?」
「若干スーパー遠いくらいで、あとはそんなに前と変わらないです。」
「ああ、あそこ遠いですよね。でもあそこまでしかトラック入れないんですよ。」
「なるほど、だからあの場所なんですね。」
とたわいもない話が続く。
一番気を付けないといけない人物だから、下手に質問出来ない。
しかしこの神主はよくしゃべる。
こうやって話すといい奴のように感じてしまう。
今のところ危ない感じがない。
「暗くなると危ないので、またお会いした時にお話しましょう。」
「そうですね、鬼綺羅さんお気を付けて。」
「ありがとうございます。金武さんもお気をつけて。」
といい別れた。
人当たりが良くて、疑う対象に入れたくないと思ってしまう。
家に帰り晩ご飯を作る。
一人分を作るのってなかなかめんどくさいがコンビニがないので我慢する。
あそこで弁当買っとけばよかったかな。
ご飯を食べながら、神社の御神酒について何かサイトに載っていないか探してみると
ひとつ気になるものを発見した。
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