第3話 更新頻度

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昼 民泊を見学

藁ぶき屋根の歴史ある建物だった。


民泊は、流尽(管理人)さんのみが経営している。

部屋が足りないときは、神社に泊まれるようにしている。

→常に宿坊していないのは人手が足りないかららしい。


観光客はみんな1泊で帰る。

魅流神社のほかに観光スポットがないらしく、

恐らくお昼過ぎにつき、荷物を置いて神社に行きあとはのんびり田舎を満喫するのだろう。

バス停は遠いから車で来るか、管理人さんが送迎しているか。

民泊から神社まで5分で着く。


3年前 元神主、鬼綺羅 英志が急病で亡くなる。

その後、息子快夜が跡を継いだ。

SNSで人を呼び、魅流神社が観光スポットになった。

→神主、巫女の二人しかいない。


魅流神社はとても整備が行き届いている。

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あ、そうだ。

せっかく神社に来たからお参りしておこう。


賽銭を入れて、礼をし、手をたたき、合わせる。

しばらくお世話になります。金武です、よろしくお願いします。


礼をし、社務所に向かう。


社務所には、巫女が1人座っている。

こんにちはと声をかけ、お守りやなんやらをみる。


御神酒らしい物はない。


「これで全てですか?」


「はい。」


なるほど、御神酒はただの噂か。


「お清め系のものってありますか?」


「ここにはお水とお塩があります。」


「お塩一つ頂きます。」


「はい。」


紙袋にいれ渡される。

清めの塩は食べるものではないからなぁ。

もしやクスリのように使うのか?とも思ったが、常人がそんな使い方をするはずがない。


「ありがとうございます。」


「また、お待ちしてます。」


見た感じ神主はいない。

神主はいつ顔を出すのだろうか。


今日のところは家に帰り、魅流神社のSNSでも探すか。


階段を降りていき、きた道を戻ろうと思い歩き出すと大きいカバンを持った男性がこちら側に向かって歩いてきた。


観光客だろうか?


軽く会釈をしてすれ違う。

大きいカバンには米が入っているのがちらっと見えた。

買い物帰りの村人なのか?


黒髪のパーマで前髪が若干かかっていて、

顔ははっきりと見えなかったが、長身で若そうな感じだった。


あまり若い人はいないと言っていたが

初めて会ったな。


話しかけるべきだったか?

まあ今度でもいいか。


「お兄さん。」


後ろから声を掛けられる。


「はい?」


くるっと後ろを見ると先程の若い男性が声をかけてきた。

男の私から見ても美形で惚れてしまいそうな顔立ちだ。


「最近引越しされてきた方ですか?」


「はい。そうです。」


「自分、ここの神主をしている鬼綺羅と言います。」


「あ、神主さんですか!私は金武です。」


「これからよろしくお願いします。神社にいらっしゃったんですか?」


「はい。この村の観光スポットと聞いて流尽さんに連れてきてもらったんです。」


「あー!流尽さんが!わざわざありがとうございます。」


「いえいえ。とても綺麗でびっくりしました。素敵な神社だったので、また行きますね。」


「気に入って頂けたようで嬉しいです。またお待ちしてます。」


会話もそれなりにして別れた。

普通に話せるイケ男だったな。


あの人が神主。

若くてイケメンで長身、あれは女性にモテるな。

コミュニケーション能力も高いってすごいな。



家に帰り、PCを開く。


[ 魅流神社 SNS アカウント ]


と色々探ってみる。


時々神主が移っている写真が載ると、いいね数が多いくらいで特に問題がなさそう。


ここをタグ付けしてる人も見てみるか。

まあまあいるな。


いろんな年齢層が来ているみたい。

友人同士や恋人同士、単身の人もいる。

なにか関連するものがないか…。


行った人のその後どうなっているかを見てみる。

うーん、変わりは無さそうか。


ん?

この女性のアカウントが動いてない。

しかも神社に行ったっきり。

元々定期的に更新するタイプではなさそうだが、

半年近くあげないものなのか?


数時間PCと睨めっこをして、

何人か更新されていない人を見つけた。

だいぶ田舎にある神社で来る人も限られている。


女性、男性の若い人のアカウントが数個更新されていない。

しかも魅流神社に行ってから、その後の更新がない。

男性は女性とカップルで一緒に来た人が多かった。


これはなにかある。

また神社に調べに行かないとな。

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