第16話
「ルークとシアはちゃんと仲直りしない限り、ユーリとは遊ばせませんからね」
「そうだぞ。ユーリと遊びたければ、仲良くしなければならない」
「何よ、父様なんかさっきまでいじけていた癖に……」
「シーアー?」
「さあ兄様。私達は別室で話し合いましょう!」
「まあ、色々と言いたい事はあるけど、ユーリと遊ぶ為だしね」
僕がかあ様のお胸にぐりぐりしている間に、にい様とねえ様はお部屋から出て行っちゃった。
「では、ユーリ。母様に教えてくれる?」
う?
教えるって何を?そんなお話全然してなかったよ。
「ユーリは起きた時、泣いていたでしょう? どうして泣いていたのか母様に教えて欲しいの」
僕が泣いていた理由……?
うー……。
僕、泣いてたかなぁ?
ちょっとがんばって思い出してみる。
……。
う?
思い出したら悲しくなっちゃった……。
「あらあらユーリ。涙さんが、こんにちはって出てきちゃうわよ?」
「ゔー……」
「ユーリには笑顔が似合う。俺にユーリの可愛い笑顔を見せてほしいな」
大きくて安心する手が、僕の頭を撫で撫でする。
「ゔー。とうしゃま……」
「んー。そうねー……。母様が涙さんとお話しをして聞いてみようかしら?」
うっ?なみださんとお話できるの?
ふぉー!
かあ様すごいっ!
僕がびっくりしちゃったからか、なみださんが少し引っ込んじゃった……。
「かあしゃま。なみだしゃん、ちょっとかくえたよ? おはなちできう?」
「ふふふ。大丈夫よー。涙さんに聞いてみるわね」
かあ様はコホンッてすると、僕のお目々をじっと見た。
にゅ?
僕のお目々に何かあるの?
あっ!なみださんのお家が僕のお目々だからだ!
「涙さん、こんにちは」
う?
なみださん、お口あるのかなー?お口ないとお話し出来ないよ?
「困ったわ。今日の涙さんは恥ずかしがり屋さんみたいね。
そうだわ! ユーリ、涙さんの代わりにお話ししてくれるかしら?」
「ふえっ? 僕でしゅか?」
僕、なみださんと今までお話しした事ないから、出来るか分かんない。
「ええ。涙さんも、ユーリなら出来るって言ってるわよ」
「ふおっ!? ほんとでしゅか!?」
「ええ。ユーリにしかお願い出来ないって言ってるわ」
ふぉおー!!
なんて、たいやくっ!
僕、がんばるよー!
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