第5話
嬉しくって、ニンマリとしていたら「ホッホッホ」なんて笑い声が、急に聞こえてきたよ?
さっきまで誰もいなかったのに、突然聞こえてきた笑い声にちょっとビクッてなっちゃったのは秘密です。
お化けだと思ったんじゃないよ!
ただ、知らないお声の笑い声が聞こえてきて、ビックリしただけだもん。
僕がビクッ!てなったの、とう様とかあ様は気付いてないはず……。
もし気付いていたら、お布団かぶって隠れなくちゃ!
だって、僕恥ずかしいもん。
うにゅーってなって、ゴロゴロしたくなっちゃうもん。
だから、とう様とかあ様が気付いてないといいなぁって思ってチラチラ見てたら、いつの間にか白いお髭のおじいさんとお話していたよ。
白いお髭のおじいさん、何時このお部屋に来たのかな?
起きた時は居なかったよね?
もしかしてさっきの笑い声は、このおじいさんのお声だったのかな?
きっとそうだ!
だって、そんな笑い方をしそうなお爺さんだもん。
顎の下に長い白いお髭があってね、ふさふさの白い眉毛もちょっと下がってるの。
髪はくるくるってしてて長いんだよ。お色もお髭とおんなじ白いの。
そしてね、優しそうなお目々をしているんだ。
でもね、僕、こんな感じのおじいさんをどこかで見た気がするんだ。
えっとね、うんとね……。
うにゅー!! 記憶さん頑張るのー! 頑張って思い出すのー!!
うにゅにゅにゅにゅー!!
僕の気合いが記憶さんに力を貸したのか、思い出しました!
それは、前世の記憶さんの記憶でした。
う?
なんかややこしい?
えっと、前世の記憶さんの記憶に、赤い服を着て白い大きな袋を背負っているおじいさんがいるの。そのおじいさんがね、このお部屋にいるおじいさんにちょっと似ていてね、それでね、凄いのがね、そのおじいさんが子供達にプレゼントを配っているんだ!
良い子にはプレゼントをくれるんだって!
ふぉー!
僕、良い子だと思うの!
だから、おじいさんプレゼントくれないかなぁ?
「ご歓談を邪魔してしまいましたかな?」
「いえ、大丈夫です。ご足労頂き、ありがとうございます」
僕がそんな事を考えている間に、とう様がおじいさんと大人なご挨拶をしていた。
僕も大人になったら、同じ様なご挨拶が出来る様になるかなあ。
かあ様はおじいさんとお話しせずにペコリとすると、僕からちょっと離れちゃった。
むー。なんかちょっと寂しい……。
その空いた場所におじいさんがすっ、とやって来てね、僕のお顔を見てニコリとしたんだ。
だから僕は元気にご挨拶をしたよ。
「ごしょくりょいただき、ありがちょごじゃましゅ」
あと、ペコリも忘れずにしたよ。
とう様と同じ様に大人のご挨拶をしたんだ!
チラッて、とう様とかあ様を見たらニコリとしてくれたよ。
むっふー! 僕、完璧っ!
「ほっほっほ。これはこれは丁寧な挨拶、痛み入りますじゃ」
「う?」
なんか難しいお言葉で、僕分かんないよ。
「ユールリウス様、初めまして。儂は宮廷魔術医のオリヴァーと申します」
「はじゅめまちて、オリバーしゃま。僕、ユールリウスと言いましゅ。3歳でしゅ」
僕もお名前を名乗って指を3本立てて、再度ペコリとご挨拶したら、「ユールリウス様は賢いですなぁ」なんて誉められちゃった!
これなら僕もプレゼントもらえるかなあ?
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