第6話 探して

玄関までやっと着いた。

そして扉を開けようと朝輝がドアノブに手をかける。


優大「ちょっと待って。さっきの人野菜とるって言ってたよね。」


朝輝「え?ああ確かに。」


優大「そのままでたら家の前の畑から見えちゃうんじゃない?」


朝輝「確かに。でもどこから出る?」


優大「どっかの窓から出れないかな。あっちの言ってない部屋とかどう?」


朝輝「どうする二人とも。」


茉莉奈「なんでもいいから早く出よう…。」


沙里奈「さっきの人が戻ってこないうちに早く行こ!」


朝輝「わかった、行こう。」


みんなで優大が指差した部屋に行く。

扉を開けると書斎のようだった。窓はない。


優大「ごめん、あのまま玄関から走ればよかったかな。」


朝輝「優大のせいじゃないって。今から玄関から出よう。」


急いで玄関へ戻ると扉の向こうからバタバタしている音が聞こえる。


朝輝「やばい、隠れろ!」


朝輝が私と会談下に隠れ、優大たちは客間がある方に隠れに行った。

ここでまさかバラバラになってしまうとは。

でも優大くんが茉莉奈は大丈夫だろう。


朝輝は私があちらから見えないように私に覆いかぶさるように守ってくれている。


玄関が開き、またさっきの女の人の独り言が聞こえる。

キッチンの方へ向かってしまった。

二人は無事だろうか。


しばらくしても反応がない。大丈夫なのだろうか。

ただ隠れていて動けないだけなのだろうか。

二人の叫び声も気配も感じられない。


でも二人が玄関に来るまで待たなきゃ。


ギィギィと歩く音がこちらに向かってくる。

客間の扉が開きバタバタと階段を上がっていった。


朝輝「優大たちまだ来ないのか?」


沙里奈「でも叫び声も聞こえなかったし、ただ隠れてるだけなのかも。」


朝輝「もう少し待ってみるか。」


沙里奈「うん。」


2階から聞こえる足音に震えながら長い時間耐える。

でも二人は来なかった。


朝輝「あっちいってみるか?」


沙里奈「その方がいいかも。」


立ち上がり上の人に気づかれないように二人が隠れにいったであろうテーブルの下に向かう。


ピラッとめくると誰もいない。


朝輝「どこ行った?」


沙里奈「キッチンの方かな?」


朝輝「そこまで行くか?普通。」


沙里奈「確かに…でも探さなきゃ。」


朝輝「そうだな。行ってみよう。」


2人を探しにキッチンに向かうことにした。

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