第4話 一緒にいよう

ギィ…ギィ…と歩くたびに軋む床。

幸い中に入っても家が壊れることはなかった。


いろんなところから家が軋む音が鳴る。


朝輝「すっげーふっるいな。」


雄大「そうだね、築70年以上で人が入れる状態なだけですごいよ。」


茉莉奈「わぁ…雰囲気やばい。」


沙里奈「もう帰ろう?」


朝輝「今入ったところだろ?もう少し探索してみようぜ。」


雄大「みんなでいれば大丈夫だよ。」


沙里奈「そう言うものかな?」


納得はいかないが外で一人で待つのも気がひける。

とりあえずついていくことにした。


玄関前に大きい階段、左右に1つずつ扉がある。

なんとなく朝輝は右に向かって足を進める。


その部屋は客間のようで広い作りになっていた。

70年前って戦時後すぐなのに洋風なものが多く置いてある。

しかもなんとなく綺麗な感じ、埃っぽくない。


家の軋む音や外見を置いておけば人が住めそうな雰囲気だった。

まあさすがにこんな家に住む人はいないだろうけど。


茉莉奈「なんか…匂いする?」


沙里奈「そう?」


部屋の匂いを嗅いでみる。

古い木の匂いと、なにか美味しそうな匂い…?


朝輝「匂いするな。」


茉莉奈「外から匂いが来てるのかな?」


沙里奈「外って…どこで作ってるの?ここ以外家なんかないし…。」


朝輝は次の部屋への扉を開ける。


朝輝「匂いが強くなった!」


と言って次の部屋へと進んで行ってしまった。


雄大「待って!みんなで行動しよう!」


朝輝につられて雄大と茉莉奈が次の部屋に歩いていく。

置いていかれるのは嫌なので沙里奈もついていく。


次の部屋は食事用の部屋だった。

美味しそうな匂いがさっきより強くなる。

皿は3人分置かれたまま。

この家の人はご飯前にいなくなったのかただ飾るのが趣味だったのか…。


でも…皿の上に埃が付いていない。

だれか掃除しているんだろうか。

人が住んでいないのに掃除する意味あるのかな。


茉莉奈「すごい!アンティークな食器たくさんある!可愛い♡」


雄大「今では高値で取引されてそうなものばっかりだね。」


朝輝「そんなの見てないでこっち行ってみようぜ。」


朝輝は次の部屋の扉を開けた。

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