15 時

美少女の俺を奪い合う、戦争から、1ヶ月が経った。


女剣士、レイカは、ゲームの国へ戻ったまま、帰らず。


毒術士イロは、顔を火傷して行方不明。

姉のアイは、イロに受けた毒が元で、眠ったまま目を覚まさなくなった。


俺はまた一人になった。昔までは慣れてたけど、今は、誰からも愛されないのが、耐えられない。


――フラフラと、町をさ迷い歩く、空しい現実。日々。


「お客さん?お迷いですか?」

いつの間にか、裏通り。


(運命の占い)


「道を示しましょう・・どうぞこちらへ」

何でもいいから、道が知りたかった。


「さあ、手を差してください」


言われた通りにする。素直に、抗えない。

相手の顔は、フードが深くて見えない。


「・・これから、運命が変わりますよ」


「え?い・・いつですか?まさかレイカと再会できるとか?」

つい言葉で言ってしまう。


「・・それは」


「無いなあ!!」

フードを取ると、顔半分が火傷した、女。


「イ・・イロ!?」


ぐさ。俺の腕に注射器が刺さった。


同時に意識を失った。

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