14 裏切り

「ちっ!バカな姉がよお!約立たず!」


俺は縛られているため、自由が効かない。


「・・イロ!私を騙して毒で操ったのね?」

姉アイは頭を抑えながら、苦しそう。懸命に、抗っているようだ。


「こんな簡単な罠に、引っかかる方が悪いんだよ!ばーか!」


「どうして・・あ、意識が・・」

アイはその場に倒れた。


「解毒しやがったのは、驚いたけどな。

流石あたしの姉ってとこか?おい?」


足蹴にする。やめろイロ、姉だぞ!

俺は口も塞がれてるため喋れない。もがく。


「落ち着けよー乙戸、今あたしのものにしてやるからー」

言うと、緑の液体の入った注射器。それを、俺の腕へと運ぶ。見るからにやばい。


「んー!!」

暴れるがダメ。


「大丈夫、ほらー撫でてあげるから」

顔を近付けて、頬を触られる。正直可愛い。

しかし、必死の抵抗虚しく、注射針が腕へと刺さる。


「これで一生逃げられない」

が、

(ガシャン!)

注射器が割れる。そして


緑の液体は、イロの顔にかかる。


「いああ!!」

(ジュウウゥ)

と音がしながら、酸のように溶ける音。

どうして?確認すると、倒れていたアイがやった。気を失ったフリをしたのか。


「貴様あぁ!」

もがきながら、出ていった。


「イロ・・報いを受けなさい・・」

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