木の花、咲く夜

 刹那の逡巡。

 あ、死ぬんだろうな。

 やり残したこと、ある?

 無いだろ。

 無いだろうな、きっと。

 あるわけがない。

 こんな人生に悔恨なんて、微塵たりともあるわけがない。

 何度やり直してもここに着くんだろう?

 なら同じだ。

 抗っても同じ。

 それが人生だ。

 いずれは死ぬ。

 誰彼々も、きっと死ぬ。

 じゃあ、いいや。

 そう、何度だって言おう。

 やり残したことなんて、














 あ。













 写真、送ってねえな。ま、いっか。

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