だってだってだって

淡い春服を着て

桜を見上げる君の

無邪気な目が

あんまり愛おしかったから

その首


浴衣姿で

いつもとは違う髪型の

君の後ろ姿が

あんまり眩かったから

その首


紅葉の中で

頬を染める君が

あんまりいじらしかったから

その首


雪景色の中で

頬笑む君が

あんまり綺麗だったから

その首


桜の唄の、息継ぎの拍子に

喉が鳴る

喉から出るのは、しわがれ桜


遊泳の、息継ぎの拍子に

喉が鳴る

喉から出るのは、接岸切符


絵画鑑賞の、息継ぎの拍子に

喉が鳴る

喉から出るのは、乾いた吐息


緩んだ拍子の息継ぎに

喉が鳴る

喉から出るのは、生存本能


四季折々のネックレス

パール、お花、ピンクゴールド、プラチナ


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