毛糸の屑

昔撮った未来への青写真

予定通りいかなくて

赤いインクでペケ付ける


黒い取っ手のタチバサミで切り取るのは

代わり映えしない周りの風景


縫い針を舌で転がしていると

突然、鉄の味がした

多分それは幼い頃に

指を突き刺した時のもの


まち針で壁にとめるのは

人の抜かれた記念写真

くすんだクリーム色の人影が

身を寄せていた


あの時に鼻から吸い込んだ、赤い毛糸の屑が

今も頭のどこかに、つかえてる


いくら鼻をかんでも出てこない

誰も彼もが赤みがかって見えるの

そのせいなのかしら

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