手鞠歌

手鞠歌を唄って

生首の頬を愛でるのは

白骨化した類人猿の女の子


生首の独白は、未来への

希望に満ち溢れ

血潮のように止まらない


業火に焼かれるヘモグロビン

酸素といいことしてたけど

一酸化炭素が好きみたい

剥き身のエビは真っ白け


焼いてさ 焼いてさ


手鞠歌を唄って

生首の頬を愛でるのは

白骨化した類人猿の女の子


愛しい彼女の口づけは

氷のように凍てついて

泣いていたら

唇が離れなくなってしまう


煮てさ 煮てさ


唱うには、喉がなければいけません

唱うには、ふいごがなければいけません

唱う分だけ、時は流れて消えていく

手鞠の幾何学模様が薄れてく

そんなに地面が好きなのね

だってこんなに脈打っているもの


打ってさ 打ってさ


手鞠歌を唄って

生首の頬を愛でるのは

白骨化した類人猿の女の子

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