鰐口のこゑに日の入るあきのくれ
【読み】
わにぐちのこゑにひのいるあきのくれ
【季語】
あきのくれ(秋の暮)〈秋〉
【語釈】
鰐口――①神社仏閣の堂前に、布を編んだ太い綱とともにつるしてある円形の大きな鈴。中空で下方に横長の裂け目がある。参詣者が綱を振って打ち鳴らす。②人の横に広い口をあざけっていう語。③がまぐち。④きわめて危険な場所・場合。虎口(ここう)。⑤恐ろしい世間の口。⑥馬具の鞍橋(くらぼね)の部分名。前輪・後輪(しずわ)の内部下縁の刳(くり)形のところ。州浜(すはま)。
[デジタル大辞泉]
【大意】
鰐口の声に日がしずむ秋の夕暮れである。
【付記】
日本人で神社仏閣に行ったことのないひとは相当に少なかろうが、「鰐口」に聞き覚えのないひとは少なくあるまい。その根拠は、わたしがそれを、さる古句を読むまで知らなかったことである。
辞典には神社仏閣にあるとあるが、わたしの経験に照らせば神社には少なくて寺に多い。わたしは寺よりも神社に行くことがはるかに多かったためか、それを見たり鳴らしたしたのもごく僅かである。日本には仏教徒が多いらしいが、神社と寺ではどちらがより人気なのだろうか。
推敲を重ねるうちに切れ字がなくなった。保守的なわたしは切れ字を大切にしたいと考えているが、無理に入れればかえって悪くなることもあろう。
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