穂にすがるいなごも秋のゆふべかな

【読み】

ほにすがるいなごもあきのゆふべかな


【季語】

いなご(稲子/蝗/螽)・秋のゆふべ(秋の夕)〈秋〉


【語釈】

いなご――イナゴ科イナゴ属の昆虫の総称。ハネナガイナゴ・コバネイナゴなど。体長2~4センチ。背部が褐色、ほかは黄緑色のものが多い。水田や湿田に夏から秋に多くみられ、稲などの害虫。つくだ煮などにして食べる。鳴かない。蝗虫(こうちゅう)。

[デジタル大辞泉]


【大意】

穂をつけた草(イネなど)にとりすがるイナゴも、秋のゆうべのながめのひとつであるよ。


【付記】

イナゴなどのバッタは、イネ科植物を食害する言わずとしれた害虫である。むかしは食用にしていたと聞くが、農薬などの使用があたりまえになった昨今ではむずかしいかもしれない。また、少なくとも日本ではイナゴより深刻な被害をもたらす生き物も少なくない気がする。


イネが食用として重要な植物でなかったら、野をかけめぐるイナゴも秋の風物詩のひとつとして、何心なくながめられたであろうと考えた。ただし、虫がダメなひとはその限りではない。


【例句】

夕立や海を涼しく飛ぶいなご 亀柳

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