早咲きのうめ見つけさのせはしさは

【読み】

はやざきのうめみつけさのせはしさは


【季語】

早咲き〈冬〉


【大意】

早咲きのウメを見たほどである。この朝のせわしさは。


【付記】

せわしさのあまりウメさえ春を待たずに咲いてしまったというわけである。単純な発想だが、人事と自然の符号をみとめる、おそらく悠久の歴史をもつ思想が表れている。


菊より後さらに花なしなどというが、花は一年中何らかのかたちで咲いているものである。しかし、「早咲き」は冬の季語とする慣例である。同様に、「かえり咲き」「わすれ咲き」「かえり花」「わすれ花」は冬の季語である。


なお、執筆時(2月9日)は「春」である。


【例句】

梅つばき早咲ほめむ保美ほびの里 芭蕉

早梅さうばいや御室の里の売屋敷 蕪村

早梅の匂ひは年の飛脚哉 錦水

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